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撮影は4月2日。画像はWikimedia
[アイスランドにあるエイヤフィヤトラヨークトル氷河で、今年3月から2カ月連続で火山の噴火が
起こっている。飛行機の欠航など、人間の社会に大きな影響を与えており、今後の気象への
影響も懸念されている]
飛行機への影響
火山灰は飛行機の計器に詰まるおそれがあり、また機体に付着して、その重さで微妙な重量の
バランスを狂わせるおそれがある。そして火山灰が特に危険なのは、ガラスの粒子を含んでいる
点だ。これが飛行機のエンジンの高温で溶けて、機械類に損傷を与えたり不調が生じるおそれが
ある。火山灰雲の中を通過したジェット機で、4基のエンジンすべてが停止した例が知られている。
プロペラ機だと事態が大きくよくなるという可能性もないようだ。
[1982年にジャワ島のガルングン山の近くを飛行中のボーイング747が、4基のジェットエンジンの
すべてが一時的に停止するトラブルに見舞われた(ブリティッシュ・エアウェイズ9便エンジン故障事故)。
火山が噴火する時にマグマが地下深部から上昇してくると圧力が下がるため、マグマに溶解して
いた水などの揮発成分がガスとなって発泡する。これによって残っていた液体のマグマが粉砕され
微粒子となり、これが噴出されると、結晶になる暇もなく急冷されるためガラス(火山ガラス)となる]
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火山灰。画像はWikipedia
気象への影響
最も大きな影響は、天候にあらわれる。エイヤフィヤトラヨークトル火山の噴火が世界的な天候に
影響するかはまだ明白ではない。しかし、過去の大規模な噴火では影響が確かに出ている。
たとえば1783年、ラキと呼ばれるアイスランドの火山亀裂で大噴火があった。プルームとともに
大量の二酸化硫黄ガスが運ばれ、その後1?2ヵ月にわたってヨーロッパ全域で多くの人が[呼吸
困難によって]死んだ。
しかしこれも、気象への影響に比べたら些細なものだった。1784年、ヨーロッパと北アメリカは記録上、
最悪の冬を迎えた。ニューオリンズのミシシッピ川までもが凍ったのだ! ラキ火山の噴火は、その
直後に起きたアイスランドの別の噴火とあいまって、それから数年にわたり、フランスの農作物に深刻な
影響を与えた。これが1789年から始まるフランス革命の要因になったともされている。[日本でも、
1783年の浅間山の噴火と重なって冷害が発生し、合わせて天明の大飢饉の原因になったと考え
られている]
このラキ火山の噴火がひどいものだったと思うのなら、1815年にインドネシアのタンボラ山で起きた
大噴火はもっと重大だったことを知るべきだろう。タンボラ山の噴火で北半球は1816年に「夏のない
年」を経験することになった。米国のコネチカットで6月に氷点下を記録したと報じられており、米国と
ヨーロッパで凶作が広がった。
>>2へ続く
ソース:WIRED VISION
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