10/04/05 08:21:32
CS放送、朝日ニュースター「愛川欽也パックインジャーナル」の最近の生放送の中で、僕が尊敬するレギュラーメンバーが
出演した時に「今の若者が将来にバラ色の展望、夢を持てないのはかわいそうだ」「そういう若者に希望を持てる未来像を
示す政治を求める」というような話になった。
自分の若かったころを思い出してみた。そして「そのころも、バラ色の未来なんて感じたことは一度もない」と発言した。
僕の青春は新劇の研究生を経て仲間と一緒に小さな劇団を作り、芝居を始めていた。
そんな未来が待っているなんて、感じたことは一度もない。養成所の後輩の仲代達矢君や宇津井健ちゃんは二枚目
だから、映画や舞台で主役としてどんどん売れていった。彼らにはバラ色の未来が、青春時代からあった。しかし、僕のような
ジャガイモ風の俳優の卵には、そんなものは何もなかったと話した。
番組の仲間たちは「それでも夢を持って会社に入ったり、仕事もしたよ」と反論した。僕は「あなたたち団塊の世代が親に
なって、子どもを甘やかしすぎたんじゃないのか?」と言ったところで、話は終わった。
青春時代にバラ色の将来像を描ける社会は素晴らしいと思うが、今までにそんなことが一度でもあっただろうか、と僕は
番組が終わった後でも考え続けている。
ソース(東京新聞 4/1付 「言いたい放談」 俳優・作家 愛川欽也氏)