10/03/24 00:11:39
─行楽シーズン到来。ゴロゴロ荷物を転がして歩く女性たちが増える。もっと暖かくなれば、カツカツと靴音を響かせて闊歩
する人も……。女性の存在感が増すのはいいけど、ちょっと、うるさすぎません？─
いるわ、いるわ。平日のＪＲ東京駅。あっちもこっちも、キャリーバッグの大移動。とくに多いのが新幹線の改札付近で、４人に１人
はゴロゴロと引きずっている。若い女性が目立ち、一体何が入っているのか二つを両手で引く猛者も。
だが彼女たちは、そのキャリーバッグがときに周囲の人たちに大きな迷惑をかけていることを知っているのだろうか。
「キャリーバッグの女は許さん」
怒りもあらわにぶちまけるのは、都内の会社員、ユタカさん（35）だ。これまでキャリーバッグの車輪で足を轢かれたことは数知れず。
１日３回轢かれたこともある。なのに、一度も謝られたことがない。
先日も、出張で新幹線に乗るために東京駅を利用した際、すれ違った女性が引くキャリーバッグに轢かれた。
「いたっ！」
ユタカさんが思わず叫ぶと、持ち主は一瞬後ろを振り返ったが、床に何もないことを確認しただけで、颯爽と去って行った。その
無神経さに腹が立つ。追いかけていって「土下座しろ!!」と、叫びたい気分だ。
（中略）
この種のトラブルは、混雑した電車内でも多発している。都内の会社員、ケンイチさん（31）は、ブチキレそうになった経験を
聞かせてくれた。
■ケータイ同様規制せよ
ある朝の出勤途中のこと。ぎゅうぎゅう詰めの電車に、若い女性がキャリーバッグを持って乗り込み、すぐ隣に来た。
うわっ、マジで!? 場所を移りたいけど、すし詰め状態で身動きが取れない。我慢していると、電車が揺れるたびに硬い表面が
ケンイチさんの体にぶつかり、痛くて仕方ない。
イタタタタタタ……。
女性を睨んだが、携帯電話を操るのに夢中で気づかない。「チッ!!」と舌打ちまでしてみたが、無視された。
「お陰で朝から気分は最悪。携帯やタバコのように、キャリーバッグも規制すべきでしょう」（ケンイチさん）
（中略）
混雑した場所での「ゴロゴロ」も迷惑だが、暖かくなると、街角に「カツカツ」と響くけたたましい足音が腹立たしい。
■靴音は地下鉄車内並み
そう、「ミュール」と呼ばれる、かかとを固定しないヒールの高さが７～９センチもある女性用サンダルが、騒音をまき散らすのだ。
ミュールで歩く女性を巷では「カツカツ女」「カスタネット娘」などと呼ぶという。
カツカツ女が近くを通ると、簡易騒音計の数値は、地下鉄車内並みの80デシベル近くに跳ね上がるという。
「階段を下りるときの音は、聞いていて心臓に悪い」と語る70代の男性もいる。こうなると歩く凶器である。
愛知県に住む会社員のマコトさん（47）は、自宅のマンションでこの被害に遭った。
2007年、マコトさん一家は憧れのマンションを買った。入居の際、不動産業者は「生活音は気にならない程度ですよ」などと
言ったが、とんでもない。まもなくカツカツ音が聞こえるようになったのだ。
音源は、一つ上の階に住む新婚女性。朝は早い日は６時から、夜は10時頃になると「カツカツ、カンカン……」と聞こえてくる。
「毎朝、ヒールの音で叩き起こされるんです」（マコトさん）
これはもう立派な安眠妨害だ。しかし、マンションの管理会社に苦情を言っても、まともに取り合ってはくれない。我慢できなく
なった別の部屋の住民は、カツカツ女が帰宅する時間に待ち伏せして抗議した。が、「騒音はお互い様でしょう」などと開き
直られたという。
（中略）
「自分の知人や友人には気を使いますが、公衆、つまり知らない人たちの中でどう振る舞うかについて、考えない、教えられない
人が増えている。若い女性だけでなく全員がそうです」
そう指摘するのは、昭和女子大学学長で『女性の品格』を著した坂東眞理子さんだ。
「気がついた人から教え、注意することによって、はじめておかしな振る舞いをしていたことに気がつきます。ただ、誰も注意
したがらない。本人のみならず、社会全体の品格が問われています。怒らないで、あたりまえの声で注意しあいましょう」
ソース（Yahoo!雑誌記事・AERA） URLﾘﾝｸ(zasshi.news.yahoo.co.jp)