10/02/26 17:07:50
訴訟社会の米国で謝罪はアウト
「I’m deeply sorry」―。トヨタの豊田章男社長は、米議会の公聴会に出席して
こう言った。メディアの多くは、「誠実さを見せた」と好意的。だが、これからトヨタに
降りかかる訴訟ラッシュを考えれば、「sorry」は、命取りの言葉になりかねない。
「日本人にとってのsorryと米国人のsorryは違う。日本では謝罪の気持ちととらえますが、
米国では、トヨタは自らの非を認めたことになる。つまり、guilty(ギルティー・有罪)。25日、
トヨタ株は値を下げましたが、マーケットでは『sorryが原因じゃないか』という声が出ています」
(米国駐在経験のある金融関係者)
トヨタの広報担当者は、「sorry」は日本語の「残念」に当たり、「謝罪」を意味する
「apologize」とは区別したと説明しているようだ。しかし、「sorry」に謝罪の意味があるのは
明らか。「I’m sorry」は、「sorry」のより丁寧な言い回しで、訴訟社会の米国ではめったに
使われない。米国事情に詳しいジャーナリスト・堀田佳男氏もこう言う。
「『sorry』は口語的な言葉で、日本語なら『ごめんね』。残念とか後悔の念なら『regret』でしょうか。
外国メディアの論調は、章男社長の謝罪に素直さを認め、悪い印象にはなっていませんが、
訴訟では原告側から『謝ったじゃないか』と言われてしまう。米国では謝れば敗訴です。
むやみにsorryを使うことに、私は感心しません」
既にトヨタを相手取った集団訴訟は、全米30州で40件を超えている。訴訟の種類も、
製造物責任(PL)を問うもの、株価下落による財産の目減りを不当だと訴える株主代表訴訟、
悪質な隠蔽(いんぺい)をめぐる刑事責任追及など多岐にわたる。
米国の訴訟は日本の常識を超える金額が動くのが普通。
英フィナンシャルタイムズによると、トヨタがこれまで提起された40件余りの
集団訴訟ですべて敗訴すれば、36億ドル(約3200億円)の賠償金を支払うことになるという。
「今のトヨタなら大金がむしり取れると弁護士たちは、てぐすね引いていて章男社長の謝罪を見て集団訴訟が増えるのは確実。
訴訟費用は1兆円にまで膨らむ」(前出の金融関係者)という見方も出ている。 章男社長の試練は始まったばかりだ。
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