【トヨタ】 「大型リコールの原因は部品共通化」のウソ,真因は“手抜き”=製品の品質検証の不十分さにあり…品質問題・識者の見方 at WILDPLUS
【トヨタ】 「大型リコールの原因は部品共通化」のウソ,真因は“手抜き”=製品の品質検証の不十分さにあり…品質問題・識者の見方  - 暇つぶし2ch2:ポーク‥‥φ ★
10/02/12 17:40:56
>>1の続き

●他社よりも進んでいるトヨタの部品共通化

 トヨタ自動車は,部品共通化については,もともと他社に比べても大幅に進んでいた。
トヨタの場合,フルモデルチェンジにおいて構成部品のうち 50%程度を現行部品から流用するが,
他社はせいぜい25~30%である。さらに2000年7月に,「製品に合わせて部品を造るのではなく,部品に合わせて製品を造る」
ことを理念に掲げたCCC21(Construction of Cost Competitiveness for 21th Century)活動に取り組み,部品共通化を一層進めた。
その成果によって,年間の原価低減額をそれまでの1000億円を2倍の2000億円に押し上げた。

 だがトヨタは「CCC21は部品アプローチであったため,期待したほどの成果が出なかった」と反省し,
2005年からさらに乾いたタオルを絞るべく,システムアプローチで部品共通化を実現する
「VI(Value Innovation)活動」に取り組んだ。VI活動の中身はベールに包まれていてよく分からないが,
「設計のやり方を根本から変えて部品共通化を進める」という理念であり,このアプローチ自体は正しい*。
* トヨタはCCC21活動やVI活動の具体的な内容や成果を公表してしない。自動車の購入者は常に,
製品も部品も“オールニュー”であることを期待するので,部品共通化の成果を公表することは,
販売・営業戦略上好ましくないとの判断かもしれない。また,部品共通化は技術的に非常に難しい事業なので,
それを公表しては自社の強みが薄れると考えた可能性もある。

 部品の共通化には,次の3段階がある。

(1)既存の部品の中から今後の製品でも流用できそうな部品を抽出して標準部品に設定する。
どの製品で,どのようにして,どの部品を選ぶかは設計者に任される。
(2)部品ごとに,事前に一定の品ぞろえをし,それらを今後の標準部品に設定する。
どの製品で,どのようにして,どの部品を選ぶかは設計者に任される。
(3)設計パラメータ(品質やコストの製品仕様を含む)と部品の仕様との関係を明らかにした上で部品の品ぞろえをし,
それらを今後の標準部品に設定する。どの製品で,どのようにして,どの部品を選ぶかは,
設計パラメータと部品仕様の関係から品質・コストの条件に合う標準部品を設計者が判断する。

 当然のことながら,第3段階まで行って,初めてQCD(品質/コスト/納期)を保証した部品共通化が実現できるようになる。
第3段階に到達するには,上述の設計パラメータと部品仕様の関係を見据えながら設計する「設計手順書」の整備が不可欠となる。
設計手順書のイメージを図に示す。

図●設計手順書のイメージ URLリンク(techon.nikkeibp.co.jp)

ちなみに,これは自動車のワイパーシステムの例。
(画像のクリックで拡大)

 設計手順書とは,製品企画書や製品仕様書といった設計へのインプットを基に,図面や部品表といった
設計からのアウトプットを出すまでの設計の方法を,設計の手順に従って記述した文書である。
特許情報/他社製品データ/品質基準/コストテーブルなどのような既存の設計根拠情報は,設計手順の各段階で引用する。
このような設計手順書を作っておくと,設計パラメータと部品仕様についてそれぞれどのように
モジュール化するべきかが見えてくるので,「モジュールテーブル」としてまとめる。
こうして作った部品仕様モジュールテーブルが,部品共通化の第3段階における標準部品である。
新モデルを開発する場合は,この設計手順書に従って設計を進めることによって,他社の特許を回避し,
他社の製品を上回る商品力を持ちつつ,品質基準を満たし,最もコストが低い標準部品を選択できるようになる。

 約9割の企業は,第1段階にとどまっている。そもそも既存部品は,ほかの製品に転用されることを考えずに,
個別の製品に向けて,個別の条件で,限界設計(極限まで無駄がないように設計)されたものなので,
転用の可能性は本質的に低い。無理して転用すると品質問題を起こす。

 トヨタ自動車のCCC21は第2段階と考えられる。品ぞろえするときは,部品に一定のロバスト性を持たせるので,
採用の可能性は高くなる。しかし品ぞろえされた標準部品には,どういう場合に,どれを選択すればよいのか
ということに関しての手順や基準がないので,誤認が発生しやすい。 2005~2006年にトヨタで多発した
品質問題の背景には,こうした事情があると考えられる。

続く


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