10/02/02 12:14:10
W杯イヤーの1月と言えば、対戦相手の情報が様々なメディアで取り上げられるのが、これまでのパターンだった。
テレビ局が競い合うように現地へ飛び、チームの特徴や日本の印象などを主力選手から聞き出す。
スポーツ紙も、サッカー専門誌並みの掘り下げ方で対戦相手を分析したものである。
12月の組み合わせ決定から一か月もすると、本大会で対戦する3か国をひと通り予習できたものだった。
それが、どうだろう。今回は情報がめっきり少なくなっている。アフリカ選手権に出場している
カメルーンの試合映像が、わずかに伝えられる程度だ。オランダもデンマークもそれなりに情報が手元にあり、
わざわざ調べるほどではないとしても、鮮度の高いニュースが日々届くといった状況にはほど遠い。
そこから透けて見えるのは、日本代表のニュースバリューの低下である。
日本代表の人気停滞は、以前から指摘されていた。テストマッチのテレビ中継がなかなか
決まらなかったり、カードによっては中継そのものが見送られるケースも出てきた。
W杯出場決定のようなニュースでなければ、サッカーがスポーツ紙の一面を飾るのも難しくなってきた。
チケット販売の苦戦も伝えられている。2月2日に行なわれるベネズエラ戦は、
初速がいまひとつだったと聞く。25日から代表チームのキャンプが始まり、
それに伴ってテレビや紙誌での報道が活発になれば販売も伸びていくだろうが、
発売即完売は“かつての出来事”となってしまった。
日本代表は中村俊輔らの海外組を除いたメンバーである。ベストの布陣ではない。
一方のベネズエラも、世界的なスターのいるチームではない。W杯南米予選では10か国中8位にとどまり、
本大会の出場権を逃している。火曜日のナイトゲームという条件も考えれば、チケット販売で
苦戦するのはしかたがないかもしれない。昨年2009年9月のオランダ対日本戦や、
同11月の南アフリカ対日本戦が満員にならなかったように、対戦相手によって
観客の増減があるのは日本だけでないからだ。
そうは言っても、W杯イヤーである。ベネズエラ戦はその第一歩だ。
もう少し盛り上がりを感じることができてもいいのでは、と思ってしまう。うっすらと漂う停滞感のようなものは、
いったいどこから沸き上がってくるのだろうか。代表人気の停滞だけでは、片づけられない気がする。
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