【社説】日航を破綻に追い込んだケインズ主義…日航破綻の責任は、国内赤字路線への運航を強いてきた日本政府にあるat WILDPLUS
【社説】日航を破綻に追い込んだケインズ主義…日航破綻の責任は、国内赤字路線への運航を強いてきた日本政府にある - 暇つぶし2ch1:諸君(もろきみ)φ ★
10/01/22 23:24:07
 日本航空は19日、東京地裁に会社更生法の適用を申請した。日航の経営破綻(はたん)の原因として、最も頻繁に指摘されるのが
不採算路線の拡大だ。その責任は誰にあるのか。日航が1987年に民営化されてからも、国内赤字路線への運航を強いてきた日本政府
ではないのか。

 その答えを得るにはまず、赤字路線が繋ぐ各空港の歴史を振り返ってみる必要がある。それら多くの空港は、なぜ建設されたのか。
おそらく過去に、経済的に理に適っていると判断されたからだろう。だがそれは明らかに間違っていた。
(中略)
 この空港供給の過剰化を理解するには、英国の経済学者ジョン・メイナード・ケインズと、インフラ構築がもたらす経済刺激効果について
の彼の見解を思い出してみればいい。日本の多くの政治家が彼の理論を熱烈に信奉してきたからだ。

 1960年代から代々の政権は、空港建設に重点を置いた航空政策を推進してきた。これは、高度経済成長まっただ中で人口増加が
続いていた60年代当時の日本にとっては、おそらく筋の通った政策だったのだろう。

 だが、まだ空港建設の多くが始まってさえいない1964年に新幹線が登場した。そもそもこの時点で、特に新幹線網の整備が進むなかで、
飛行機が必ずしも最も効率よい移動手段だとは限らないことに気付くべきではなかったか。

 だが残念ながら、そのときまでに既に空港建設ブームは一人歩きし始めていた。

 日本の失われた10年といわれる1990年代、経済刺激策の名の下に多くの空港建設が行われた。絶大な政治的影響力を有する
建設業界はもちろんのこと、国会議員も地方議員も、あらゆる県に空港を建設したがった。

 しかも、通常の空港では事足りなかった。日本は比較的平地が少なく、土地が不足していたことから、巨額の費用を投じてわざわざ
海岸を埋め立て、次々に空港を建設していった。過剰な建設コストはしばしば国民の非難の的となっていたにもかかわらず、事実上、
建設による経済効果はプラスだと考えられていたようだ。

 空港建設推進派は、空港建設は短期的には雇用創出を、長期的には地域の繁栄をもたらすと、ひたすら吹聴してきた。この空港建設
ブームは、つい最近まで続いた。米国と比較してみると、日本よりも面積の広いカリフォルニア州でさえ、常時商業運営している空港数は
日本の3分の1程度だ。
(中略)
 しかも日本政府にとって皮肉なのは、へき地に空港をせっせと建設している間に、実際に必要とされている空港の設備強化がおろそかに
なってしまったことだ。国の主要玄関口である成田空港は、第3滑走路の建設をめぐって、地元の反対運動は収まっていない。

 空港は、納税者にとってこれまでかけた費用をあきらめる「埋没費用」の象徴だ。日航自身にとっては、整理手続きを利用して、不採算
路線の運航という重荷から自らを開放することができるだろう。
(中略)
 今回の日航の破綻問題は、われわれにとっても、ケインズ主義に基づく景気刺激策の代償についてのひとつの教訓だ。

 公共事業をめぐる政治論争では、政府がいくら拠出すべきかがしばしば議論の的となるが、不必要なインフラ建設の代償を払うのは
結局企業の側になる可能性があるということだ。日本政府のケインズ主義的航空政策を押し付けられた日航は不運だった。

 この問題は日本だけに限ったことではない。いまケインズ主義的インフラ建設ブームに沸く、中国をはじめとする他の世界の国々すべてに
当てはまる問題だ。例えば、中国では現在、北京と広州を結ぶ高速鉄道路線が開発されている。

 だが、広州の鉄道駅は繁華街から45分という辺ぴな場所に建設されるうえ、現在飛行機では3時間もかからない移動時間が鉄道の
場合は8時間近くになる。これで果たして、黒字運営が可能のほどの旅客を確保できるのだろうか。

 中国政府はおそらく採算がとれると考えているのだろう。だが、20年後に、高速鉄道やその他公共事業の運営会社が中国政府からの
救済を受けているか、あるいは破綻の危機にひんしていたとしたら、中国政府は日本から何も学ばなかったということになる。

ソース(ウォール・ストリート・ジャーナル日本版) URLリンク(jp.wsj.com)


レスを読む
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch