10/01/06 13:20:50
目の前のアルカーイダより頭の痛い問題があった。サッカー岡田ジャパンの
今季開幕戦となるアジア杯予選は、イエメン代表を相手にアウェーで日本時間
今夜(午後10時15分)試合開始。
テロ騒動以上に日本協会にとって大きな問題なのが、今夜のイエメン戦の
テレビ放送が一切ないということだ。確かに岡田武史監督(53)が主力組を
休ませることを決意したことで、今回の日本代表は初招集のFW平山を中心にした
事実上の“B代表”。
それでもテレビ局側はイエメン戦の生中継にむけて奔走していた。
「もちろんこのご時世に加えて、今の岡田ジャパンの人気では、地上波の生中継は
早々に断念しました。しかし、BSやCSでの放送にはやる気のあるテレビ局があったのです。
だって、W杯イヤーじゃないですか」(テレビ局関係者)。
結局、折りあわなかったのが「放映権料」ということになるのだが、1試合1億円が
相場の代表戦を、たとえB代表でも譲らなかったことが大きい。テレビ局側の提示は
1000万円以下ということもあり、両者が交渉の席に着くことすらなかった。
日本協会は一度放映権料を下げると、それこそ価格破壊になると危惧している。
大手広告代理店が一括購入していることもあり、「下げようにも下げられない事情もあるのです」
(協会関係者)。昨年10月には直前になって2軍メンバーで来日したトーゴ戦を放映したTBSは、
いまだに放映権料の入金をしていない。というのも来日メンバーのあまりのひどさと
岡田監督のインタビュー拒否問題もあり、「満額」で支払うかどうか、TBSと日本協会の交渉が
年を越してしまったのだ。岡田ジャパンの不人気奪回にむけた協会の努力不足は否めない。
今夜イエメンでW杯イヤーの開幕戦が行われること自体、一般には「知らない」と
いう人がほとんどだろう。これが一番頭の痛い問題かもしれない。ついに日本代表戦の
生中継に穴があいてしまった。そして、テレビ中継がなくなって一番迷惑を被るのは、
平山をはじめとした若い選手たちだ。試合の映像はニュース番組でも使用不可とあって、
実に切ないW杯イヤー開幕戦となった。(夕刊フジ編集委員・久保武司)
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