10/01/06 08:57:10
藤井裕久財務相の辞任が五日、避けられなくなったことで、鳩山政権は早期成立を目指す二〇〇九年度第二次補正予算案、
一〇年度予算案の審議前に難問を抱え込んだ。鳩山由紀夫首相は慰留しているが、藤井氏が辞任すれば、十八日召集される
国会審議への影響は避けられず、政権運営に打撃となる。首相の任命責任も野党から追及されるのは確実だ。
首相は五日夜、藤井氏の進退について「それは仮定の話だ。医師の判断もまだの中で結論を出す必要はない」とだけ記者団に
語った。
政府高官も「藤井さんは今日も閣議に出ていた。体調が悪かったら出てこない」と火消しに躍起だった。
実際、藤井氏は検査入院した先月二十八日以降も、三十日と五日の閣議に出席し、記者会見している。ただ、五日の会見では
進退を医師の判断に委ねる考えを示し、年末までの予算編成で「相当疲れた」とも漏らした。
国会が始まれば、衆参本会議での財政演説と各党代表質問に始まり、予算委員会では連日八時間の審議が待ち受ける。
閣内最高齢、七十七歳の藤井氏にとって激務であることは間違いない。財務省内にも「心配だ」との声が漏れていた。
仮に審議の途中で、体調不良のために辞任することになれば、後任選びに数日間かかり、それだけ予算成立は遅れる。野党側が
新財務相の出席による審議のやり直しを要求し、二次補正の早期成立、本予算の年度内成立にも黄信号がともる。
このため、民主党内には国会召集前に藤井氏が自ら身を引くとの見方が強まった。後任の財務相として、菅直人副総理や仙谷由人
行政刷新担当相の起用、野田佳彦財務副大臣の昇格も取りざたされる。
それでも、党内きっての財政・税制の論客、藤井氏の後を任せるには不安はつきまとう。
そもそも、藤井氏は昨年夏の衆院選前に政界引退を表明していたが、首相が自ら口説き落として出馬させ、小沢一郎幹事長の反対
を押し切って財務相に起用した経緯がある。民主党内からも「首相の任命責任の問題になる」と懸念する声が出始めた。
さらに、首相にとって野党時代から相談役的存在だった藤井氏が内閣を去れば影響は大きい。
小沢氏との距離のある藤井氏が不在となることで、小沢氏主導の政権運営がさらに強まることになる。
ソース（東京新聞） URLﾘﾝｸ(www.tokyo-np.co.jp)