09/11/28 02:42:42
鳩山首相の資金管理団体をめぐる偽装献金問題が、大きな広がりを見せている。
「すべて検察の捜査に任せている」という首相の言い訳は、もう通用しない。首相は、早急に国会の場か記者会見で、知り得る限り、
問題の全体像を公表すべきだ。
鳩山首相が2004~08年に、母親から計9億円の政治資金の提供を受けていた疑惑が、元公設秘書の説明などで明らかになった。
その一部は、資金管理団体の偽装献金の原資となったという。
東京地検は12月中にも、元秘書を政治資金規正法違反で在宅起訴する方向とされる。
首相は従来、偽装献金の原資は自らの個人資金だと説明してきた。母親の資金については、「ないと信じている」と語り、元秘書の説明
と大きく食い違っている。
仮に母親の資金が資金管理団体への寄付なら、個人献金の上限の年150万円をはるかに超え、政治資金規正法の量的制限違反
となる。首相への贈与だった場合は、贈与税の脱税に問われる。
元秘書は、貸付金だと説明しているという。だが、9億円もの借金に、借用証もなく、元金や利息の返済もないとすれば、実質的に贈与
と変わらない。原資が企業献金でなく、身内の資金であっても問題の重大さは同じだ。
さらに深刻なのは、首相が「私が知らないところで何が行われているのか」などと、人ごとのような発言をしていることだ。
鳩山首相は、6月末の“故人献金”の記者会見前に、元秘書から事情を聞き、弁護士に追加調査をさせている。それでも、母親からの
巨額の借金の存在を知らないというのは、あまりに不自然だ。
虚偽記載の総額も、首相は当初、2177万円と説明していた。だが、5万円以下の匿名献金も大半が虚偽と判明し、総額は最低でも
2億数千万円に上るとされる。
首相は昨年、7000万円超の株式売却益を申告しておらず、ずさんな資金管理が次々と明らかになっている。首相が口にした「恵まれた
環境に育ったから」というのは、弁明にならない。
首相は02年3月の民主党代表時代、加藤紘一・自民党元幹事長の元事務所代表の脱税事件について、こう語っている。
「金庫番だった人の不祥事は、(政治家も)共同正犯だ。即、議員辞職すべきだ」
首相は、この言葉を思い起こし、政治とカネの問題について、自らきちんと説明する責任がある。
ソース(読売新聞・社説) URLリンク(www.yomiuri.co.jp)