09/11/27 07:22:55
菅直人副総理・国家戦略担当相の資金管理団体で全国後援会の「草志会」が、支持者から集めた年2万円の「後援会費」を「寄付」
として処理し、税額控除に必要な書類を総務省に交付させていたことが、産経新聞の調べで分かった。政治資金規正法は後援会費の
税控除を認めておらず、多額の税金が不正に還付されたおそれがある。後援会と称しながら、政治資金収支報告書では会員数が毎年
ゼロ。識者からは「事実上の寄付金偽装」との批判も出ており、規正法違反(虚偽記載)の疑いがある。
産経新聞が総務省に開示請求した資料や、収支報告書によると、草志会は平成16~20年の5年間に、個人から計約6千万円に
のぼる寄付を集めたと総務省に報告し、このうち延べ1246人分の4224万9120円について「寄付金控除証明書」の交付を受けた。
だが、献金したとされる複数の支持者は、産経新聞の取材に対し「草志会の会費として納入した。証明書が来たので控除も受けた」と
証言。菅氏側が本来は控除を受けられない会費について、不当に控除証明書を取得していたことが判明した。過去5年間で1回の
振込額が年会費1口分と同額の2万円だった税控除対象者は、全体の約87%にあたる延べ1088人にのぼり、納付された資金が寄付
ではなく会費だったとすれば、約490万円の税金が不正に還付された可能性がある。
「10年以上前から控除を受けている」と証言した会員もおり、不正な処理は長期間行われていた可能性もある。規正法では後援会費を、
「規約」などに基づき政治団体の構成員が負担する金銭上の債務と規定。税控除の対象となる寄付には当たらないとしている。
草志会の入会案内によると、同会は「後援会を兼ねた政治団体」であり、同会の経費には会費などの収入を充てるとする「規約」を
設けており、年会費は1口2万円。菅氏のホームページなどを通じて常時会員を募集しているが、同会が提出した過去5年分の収支
報告書には、いずれも会員数の欄は「0」か空欄となっており、会費収入もなかった。だが、草志会への振込書には名目が「年会費」と
記載されている。
菅事務所の話「草志会では『寄付』としていただいている。発行する領収書にも『政治資金規正法に基づく寄付』というただし書きを付けて
渡している」
◇
三党連立政権ナンバー2の菅直人副総理の後援会が、不正な手続きで支持者に税控除を受けさせていたことが、明らかになった。
菅氏側はあくまでも「寄付」と抗弁しているが、識者は「募集の仕方と食い違いがあり、明らかにおかしい」と疑問を呈する。鳩山由紀夫
首相が代表を務める政党支部が党費を寄付として処理し、税額控除に必要な書類を総務省に交付させていた問題も明らかになっており、
控除をめぐる“寄付金偽装”の相次ぐ発覚で、総務省のチェックの甘さも露呈した形だ。
「10年以上前から控除を受けてきた。違法とは思わなかった」。草志会の設立時からの会員で、一時は運営も手伝っていたという男性は、
驚きの声を上げた。
(中略)
菅氏側は「寄付」と反論しているが、支持者の1人は「総選挙や民主代表選挙があった17、18年には年会費のほかに、『お金がない』
というので数万円を寄付した」と証言。支出側が会費と寄付を切り分けて考えていたうえ、「入会案内」には「会員」「会報」などの文字が
並び、口座への振込用紙にも「年会費」と明記されていた。
日本大学の岩井奉信(ともあき)教授(政治学)は「領収書に『会費』と記せば、税務署で控除を受けられない恐れもあり、偽装目的で
あれば『寄付』と書くのは当然。(領収書に寄付と書いている菅氏側は)むしろ制度をすべて分かった上でやっている“確信犯”的な印象を
受ける」と指摘。
また「後援会費は単発の寄付と違い、継続的に年会費や月会費が得られる安定した資金源。代わりに控除ができない決まりだが、
会員からクレームが出るのを恐れ、寄付金に偽装したのでは」と分析し、「本来は支出されるはずのない税金が支出されており、結果は
悪質」と述べた。
(以下略。全文はソース元でどうぞ)
ソース(MSN産経ニュース) URLリンク(sankei.jp.msn.com)