09/09/21 11:49:16
鳩山内閣発足直後の世論調査では、新聞各社ともに70%前後の高支持率を打ち出し、政権交代、新内閣の誕生を有権者が
挙げて歓迎しているように見える。民主党が今回の衆院選で獲得した議席数が308と480議席全体の約64%に当たるから、衆院選
で民主党を支持しなかった人々の中にも鳩山内閣に期待を寄せている人が多いということだろう。
ところが、である。
鳩山内閣を歓迎しているのは、全国を挙げてではないらしい。産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が16、17両日に実施した
合同世論調査で、鳩山内閣の支持率は68・7%に達したが、これは全国平均。全国平均にはるかに及ばない地方があった。
それは中国地方だ。衆院選の比例代表でいうところの中国ブロック(鳥取、島根、岡山、広島、山口の5県)だ。なんとこの地域の
鳩山内閣の支持率は53・3%とかなり低い。全国平均よりも15・4ポイントも低い。地域ごとの鳩山内閣支持率を見ると、最も高いのは
東海地方の77・6%。鳩山由紀夫首相の地元、北海道は75・0%だ。50%台なのは全国でも中国地方だけ。
内閣支持率だけでなく、民主党の支持率も中国地方は低い。今回初めて40%台を突破し、民主党は44・4%という高い政党支持率
を記録したが、やはり中国地方は30・0%と全国で最低。逆に自民党の支持率は38・3%と全国で一番高い。
今回の組閣について、「小沢一郎民主党幹事長の影響力が感じられるか」との問いに、全国では61・3%が「思う」と回答したが、
中国地方はそれよりも15ポイント以上も高い76・7%が「思う」と回答。「小鳩政権」や「小沢院政」などと語られ、鳩山内閣に影がちらつく
小沢氏に対し、育ててもらった自民党を飛び出して政権を取った、と「恨み骨髄に徹する」といったところも鳩山内閣の支持率が低い要因
なのかもしれない。民主党新人議員への期待度も30・0%と低く、「期待できない」とする回答は全国一の55・0%だ。
中国地方といえば、首相の「名産地」。初代の伊藤博文をはじめ、戦後は岸信介氏や佐藤栄作氏、最近では安倍晋三氏など戦前
戦後を通じて最多の8人の首相を送り出した山口県をはじめ、岡山県からは橋本龍太郎氏ら、広島県では宮沢喜一氏ら3人など、
自民党から首相が数多く輩出した保守地盤の強い地域であることは間違いない。
世論調査では、「自民党の与党の座への復帰」についても聞いたところ、中国地方では全国平均よりも10ポイント近く高い60・0%が
「期待する」と回答。「来年夏の参院選で勝たせたい政党は」との問いでは、全国で58・6%が「民主党などの与党」と回答する中、唯一、
中国地方だけが「自民党などの野党」が48・3%と「民主党などの与党」を上回っており、いまだに自民党への忠誠心はなかなかのものだ。
事実、全国に「民主の風」が吹き荒れ、各地で自民党の大物が、民主党の新人に敗れ、落選の憂き目を見た今回の衆院選でも、
中国地方では自民党が健闘。比例代表でこそ民主党に6議席を奪われ、獲得議席は4議席に終わったが、選挙区では五分の戦いを
演じた。5県の20選挙区で10勝10敗。このうち、鳥取、島根の両県では自民党が議席を独占、山口県では4選挙区のうち自民党が
落としたのは一つだけと、強さを見せつけた。ただ、その自民党も岡山、広島両県では惨敗に喫し、中川秀直元幹事長は比例代表で
なんとか復活するという始末だが…。
とすると、来年夏の参院選で民主党が攻略しなければいけないのは、鳥取、島根そして山口の3県。民主党が戦う相手は、全員自民党
の現職だ。平成19年の参院選で鳥取県は民主党が、島根県は国民新党が1議席を奪取したが、山口県は2議席を自民党が独占状態。
さて、民主党の「長州征伐」といくかどうか、敵は手ごわそうだ。
ソース(MSN産経ニュース) URLリンク(sankei.jp.msn.com)