09/09/12 22:42:16
今春、行政トップの現職市長による汚職事件が摘発されたばかりの千葉市で、今度は議会トップが逮捕された。地元のビル建設工事を
めぐり、暴力団組員の名刺をちらつかせ、仲介に入った不動産業者から金銭を脅し取ろうとしたとして、恐喝未遂容疑で逮捕された
前市議会議長の小梛(おなぎ)輝信容疑者(66)。市議として最も名誉ある議長の地位に上り詰める一方、普段から市内の建設工事
に強引な手法で“介入”しては、業者や市職員を従わせる“剛腕”ぶりが有名だった。その素顔に迫った。
■「あん?。何だと、ふざけるな」 響き渡る太く大きな声
「あん?。何だと、ふざけるな。誰がそんなことを言っている。そいつをここに連れてこい。おれが直接、話をつけてやる」
太く、大きな声が近所に響き渡った。
8月下旬の夜、千葉市内の自宅に帰宅した小梛容疑者に、産経新聞記者が疑惑について質問すると、こう怒鳴りつけてきた。
恰幅(かっぷく)の良い体をゆすりながら、迫力のある目つきで記者をにらみつけるが、肝心の質問には答えず、自宅の門を開けて入っていく。
門を閉めるのに手間取っているところを、「暴力団との関係は」とたたみかけると、またも怒鳴り返してきた。
「おれは何も話さない。もうここへは来るな。事実じゃないのだから」
小梛容疑者は、最後にはっきりと「事実じゃない」と疑惑を否定したが、それ以外は何も答えず、玄関のドアをバタンと閉めた。その夜、
小梛容疑者が記者の前に姿を見せることは2度となかった。
それから数日後、産経新聞は9月3日付の朝刊で、「千葉市議会議長立件へ 不動産会社を恐喝未遂容疑」などの見出しで
小梛容疑者をめぐる疑惑を報じた。
その朝、自宅前でマスコミ各社の記者に囲まれた小梛容疑者は、テレビカメラを前にマイクを向けられ「やっていない、やっていない」と
繰り返したが、その足で市役所に赴くや、所属する自民党市議団の幹部や熊谷俊人市長と相次いで面会し、議長辞任の意向を伝えた。
「議会開会前に申し訳ない」「新聞報道の通りではないが、議会に迷惑をかけた。議長の職にこだわるものではない」
しかし、小梛容疑者は辞任する間もなく、その日の夜に現職のまま、千葉県警に逮捕された。
■怒鳴り上げられた市職員 受注したのは親族企業…
「あの男ならいつかこうなることは予想できた」
小梛容疑者の知人は、こう話す。
県警の調べによると、小梛容疑者は今年4月29日、ビル建設をめぐり、建設業者との仲介に入った千葉市中央区の不動産業者を、
自分の事務所に呼びつけて脅し、金銭を要求した疑いが持たれている。
市議という“力”のあるポジションをかさに着て、業者から強引に利益供与を受けようとした悪質な犯行と県警ではみているが、こうした
トラブルは今回に限ったことではなかった。
小梛容疑者が公共工事などで、自分の意にそぐわない業者がかかわってくると、さかんにクレームを繰り返すことは、地元ではよく知られていた。
「市の職員を怒鳴りつけた。その後、なぜか自分の親族の会社が工事を受注したんです」
ある建設業者が明かす。平成17年5月に千葉市が発注した市立千葉高校の改築工事。小梛容疑者は発注方法の変更を求めて
職員に迫り、つかみかからんばかりの勢いで怒鳴りあげたという。「ちょっと任侠(にんきょう)映画の見過ぎかなと思ったよ」。当時の経緯を
伝え聞いた市議は話す。
その結果、工事の発注方法は変わり、小梛容疑者の親族の会社が工事を受注したのだ。
小梛容疑者の親族は千葉市稲毛区で複数の土木建築会社を経営している。本人も東海大学を卒業後、親族らで経営する会社の
役員などを長く務めていた経験もある。
「これはおかしい」。市役所内でも、さすがにこのトラブルは問題視され、18年9月1日付で、当時の市長から小梛容疑者に対し、
「言動に圧力を感じた市職員がおり、誠に遺憾」などと異例の申し入れが行われる事態に発展した。
(以下略)
ソース(MSN産経ニュース) URLリンク(sankei.jp.msn.com)