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女優の酒井法子被告(38)=本名・高相法子=が覚せい剤取締法違反(所持)罪で起訴されるなど社会問題化する薬物汚染。
大阪・ミナミ周辺で覚醒(かくせい)剤などを年中無休で密売し、「薬物コンビニ」と呼ばれた2人組が逮捕された事件では、受け渡し役の
男が「注文が多く睡眠時間もなかった」と供述していることが近畿厚生局麻薬取締部への取材で分かった。押収された顧客ノートには
子供を連れた母親の記述も。2人組のうち1人は生活保護を受けており、密売人の生活を税金が支えたという実態もあった。
■1日で38人も
近畿厚生局麻薬取締部によると、ともに無職の阪本英樹(46)と都合(とごう)裕幸(46)の両被告は、別の事件により大阪刑務所で
服役中に知り合った。昨春出所した阪本被告は今年初めごろ薬物の密売を始め、当初客だった都合被告が6月ごろに加わったという。
覚醒剤、大麻、コカイン、合成麻薬など扱う薬物は約10種類に上る。密売拠点としたミナミ周辺の短期賃貸マンションを、摘発を逃れる
ため1カ月ほどで転々としながら、住宅街の路地裏や駐車場などで密売を続けていた。
主に阪本被告が携帯電話3台で客からの注文を受け、都合被告が薬物の受け渡しを担当。麻薬取締部が押収した都合被告の
売り上げノート3冊には、客のニックネームや乗っていた車の車種、密売した薬物や量、金額を詳細に記述してあった。客は1日平均
約20人で、週末の7月10日には38人の名前が並んでいた。
■まじめな“仕事ぶり”
都合被告は、阪本被告に雇われた「アルバイト店員」のような立場だった。「24時間年中無休」の勤務でも日給1万円。都合被告の
“仕事ぶり”はまじめで、ひっきりなしに訪れる客を待たせないよう、履きやすい靴を選び、すぐに待ち合わせ場所に向かえるようにした。
接客は常に笑顔。「礼儀正しい」「愛想がいい」と評判だったという。
午前2、3時ごろまで売りさばいた後も、阪本被告から「注文が来た」と連絡があれば、何時でも受け渡しに出かけた。
「(眠気を覚ますために)自分も覚醒剤を使いながら売っていた」と供述しているという。この覚醒剤は律義に金を払って買っていたらしく、
売り上げノートにも都合被告を表す「と」という販売先が何度も記されていた。購入費は月30万~40万円に上った。
そんな生活を支えたのは生活保護だった。都合被告は大阪市から毎月12万3千円を受けながら、覚醒剤を売り続けていた。
■「子づれ 0.5グラム」
「2人は“商売”がうまかった。住宅街が受け渡し場所だったので、素人でも買いに行きやすい。常連には『つけ払い』を認めて客が
逃げないようにしていた」。麻薬取締部は2人の手口をこう説明した。口コミで広がった客層は若者から主婦、サラリーマンと多岐にわたる
とみられる。
薬物汚染の広がりを示すように、都合被告の売り上げノートには、気になる記載があった。
「子づれ 0.5グラム 1万5千円」
取締官は「いったんクスリに手を出せば、子供がいても、いつ何時であっても、クスリが欲しくて我慢ができなくなる。その恐ろしさを知らない
人も多い」と警告している。
■薬物コンビニ事件 近畿厚生局麻薬取締部が7月27日、大阪市浪速区桜川のマンションで覚醒剤約70グラム、大麻約250グラム、
MDMA錠剤などを販売目的で所持していたなどとして、覚せい剤取締法違反(営利目的所持)容疑などで阪本被告らを逮捕、8月14日
に起訴された。6月末からの約1カ月間で、延べ約550人の顧客から約2千万円を売り上げており、今年初めからの売上総額は1億数千万円
に上るとみられる。
ソース(MSN産経ニュース) URLリンク(sankei.jp.msn.com)