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日本マンガを海外のファンサイトなどが無断で翻訳公開する「スキャンレーション」に、出版社が頭を痛めている。
いわばネット上の海賊版だが、ボーダーレスで匿名性の高いネットの世界だけに対応も難しいのが現状だ。(佐藤憲一)
海外のマンガファンの間で有名だというある英語サイトをのぞいた。「ワンピース」「ナルト」「ブリーチ」といった
少年ジャンプの人気作からマニアックな作品まで数百タイトルがずらり。クリックするだけで
第1話から最新の話まで読むことが出来る。日本で掲載誌が発売されたばかりの回も、翻訳されアップロードされているのは驚きだ。
スキャンレーションは、スキャンとトランスレーション(翻訳)を併せた造語。海外のマンガファンが集まるサイトが
作品を自主的に翻訳し、無料で公開する行為は以前からあったが、この2年ほどマニア以外にも広がり、
スピードも早くなっているという。海外のマンガ好きを増やしてきた一面もあるが、小学館ライツ事業室の
油井(ゆい)卓也さんは、「雑誌からスキャンしたものは画質が悪く、翻訳も首をかしげるものがある」と語る。
サイトに公開されているデータは、ファイル共有ソフトやオンラインストレージ(ネット上の倉庫)を介して、
別々の国の面識のないファンがスキャンや翻訳を分担して作られていると見られる。
また、ページをめくっていく映像を動画投稿サイトで見せることも増えている。
集英社の恩穂井(おしほい)和憲知的財産課長は、「サイトの管理者は確信犯で削除にまず応じないので、
違法なファイルのアップロードを発見次第、サービスを提供するプロバイダーに削除要請している。
だが、数が多すぎ後手後手になっている」と語る。相手側の所在国が分からなかったり、
国によって関連法規が違ったりと削除要請が難しい場合も多く、「日本も含めた国際的な法整備の遅れ」も指摘する。
(つづく)
(2009年8月18日 読売新聞)
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