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ブランド品、サイトでお得 最大7割引き 公開直後に完売も
「品質重視の日本の消費者が満足する商品をそろえている」と話す「ギルト・グループ」
日本法人の桑野社長(東京都港区で) 海外ブランドの服などを安く購入できる
インターネットのサイトが、消費者の人気を集めている。不況で店頭販売に苦戦する
ブランド側にも、イメージを落とさず在庫を処分できる利点があるようだ。
東京都内に住む女性会社員(34)は、ほぼ毎日、「ギルト・グループ」という会社の
サイトを見る。2007年に米国で始まったサイトの日本版で、有名ブランドの服や
バッグなどが、日本での販売価格から最大7割引きの価格で販売されている。
「好きなブランドの商品が、安く買え、アウトレットモールなどに行かなくても、自宅の
パソコンや携帯で購入できて便利」と女性は話す。今年3月に会員となり、靴やバッグ、
ワンピースなどを購入し計10万円ほどを使った。
会員になるには、既存会員の紹介が必要。会員にはセールの対象ブランド、開始日時が
事前に知らされ、54時間の期限付きで販売される。これまでドルチェ・アンド・ガッバーナ、
ディーゼルなど約80ブランドの商品が売り出された。セール開始直後に売り切れる
商品も多いという。
ギルト・グループの日本法人によると、3月の日本版サイト開設以来20万人以上が
会員となり、1か月の売り上げは7000万円を超え目標の3倍以上となった。桑野克己社長は
「販売する商品はギルト・グループの買い付け担当者が、ブランドの日本法人や
正規代理店から仕入れている」と話す。
イタリアを拠点とするサイト「ユークス・ドットコム」も利用者が増えている。日本語を含む
7か国語でサイトを展開し、ジョルジオ・アルマーニやマルニなど約600ものブランドの
商品を取り扱うネット上のセレクトショップだ。
シーズン遅れの商品を半額ほどで販売し、57か国の消費者に商品を発送。日本は国別の
利用者の伸び率が1位だ。サイト運営会社の広報担当者は「日本で入手困難なブランドの
商品をそろえているのが強み」と話す。
これらのサイトは、「賢く、安く買い物をしたい」という消費者だけでなく、不況による販売不振で、
売れ残った在庫商品の処分を迫られるブランド側にも利点があるようだ。
調査会社の矢野経済研究所(東京)によると、2008年の輸入ブランド品(高級衣料品・服飾雑貨)
の小売り市場は、消費者の買い控えなどで約1兆643億円となり、ピークの1996年から約4割も減少した。
こうしたサイトについて、ファッションジャーナリストの西山栄子さんは「高級ブランドはブランドの
イメージを傷つけず、手間をかけずに在庫処分できる。その一方で、消費者が正規料金で購入する
意欲を減退させ、ブランドの存在意義が問われることにもなるのでは」と指摘している。
(2009年8月17日 読売新聞)
ソース:読売新聞
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)