09/06/24 06:41:04
迂回献金:与謝野氏に 先物会社、ダミー通じ 渡辺喜氏にも--計9000万円
与謝野馨財務・金融・経済財政担当相と渡辺喜美元行政改革担当相が総務省に後援団体とし
て届け出ていた政治団体が、商品先物取引会社「オリエント貿易」(東京都新宿区)などグループ
5社が企業献金をするためのダミー団体だったことが分かった。5社は団体を通じ92~05年、与
謝野氏側に計5530万円、95~05年、渡辺氏側に計3540万円を迂回(うかい)献金していた。
後援団体への寄付者には所得税の一部が控除される優遇制度があり、5社は毎年幹部社員ら
約250人の給与から計約4000万円を天引きして団体に寄付させ、控除を受けさせていた。
◇後援団体指定、社員ら税控除
与謝野、渡辺両氏はいずれも金融担当相を務め、先物取引の規制問題にかかわった。後援団
体指定が違法性の強い献金を支えていたことになり、両氏と団体との密接な関係が問われそうだ。
問題の政治団体は、81年に設立された「政経政策研究会」(政経会)。政治資金収支報告書な
どによると、オ社の加藤幸男社主が代表を、関連会社の社長らが会計責任者を務めている。加
藤社主が経営から退く06年まで、団体事務所はオ社東京支社に置かれていた。
政経会から政治家への献金は5社の幹部社員らの給与から天引きした寄付金が原資で、政経
会をダミーにした企業献金だった疑いが強く、政治資金規正法(第三者名義の寄付・企業献金禁
止)に違反するとみられる。
与謝野氏は81~01年、政経会を後援団体として旧自治省・総務省に届け出ていた。00年の
衆院選で落選し、01年途中から08年まで渡辺氏が後援団体として届け出た。
政経会は92~05年、与謝野氏の資金管理団体「駿山会」に年250万~650万円を献金した。
このうち680万円は、与謝野氏が先物取引を指導・監督する旧通産相時代(98~99年)だった。
駿山会の報告書には政経会の所在地を「オリエント貿易(株)内」と記していた。
一方、渡辺氏の資金管理団体「温故知新の会」も95~05年、年100万~600万円を受けて
いた。渡辺氏は金融担当相だった07~08年も政経会を後援団体に指定していた。
オ社は07年にエイチ・エス証券の完全子会社になり、08年に商号をエイチ・エス・フューチャー
ズに変更。06年以降、オ社社員からの寄付もなくなった。【杉本修作、長野宏美】
◇献金返却せぬ--与謝野事務所の話
政治家として育てたいと応援してもらった。どのように資金を集めていたのか全く知らない。知っ
ていれば初めからもらわない。職務に関して頼まれ事は一度もない。きちんとした扱いの献金で
あり、返却することはない。
◇疑念は抱かず--渡辺事務所の話
個人から集めた資金で政治献金を行っている団体と聞いており、疑念を差し挟むような事実は
なかった。先代(故渡辺美智雄衆院議員)からの付き合いで推薦を受けることになった。今後は
相談のうえ適切に対処する。
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