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事故米の不正転売事件で起訴された三笠フーズ(大阪市)が、事件の被害企業となった熊本県の老舗酒造会社
との取引で、原料米の等級を低く差し替えることで生じた差額を裏金として酒造会社側に提供していたことが30日、
わかった。
原料米の加工精米を委託された三笠側が、等級の高い原料米を市場で安い米と交換することで裏金を捻出して
いた。両社による「裏金づくり」は、30年以上にわたって行われていたという。
三笠フーズ社長の冬木三男被告(73)=不正競争防止法違反罪で起訴=が、大阪府警など合同捜査本部の
調べに対し、こうした事実を供述。酒造会社の社長は産経新聞の取材に対し、裏金づくりが行われていたことを認め、
「悪いことだという認識はあったが、苦しい経営状態の中で不良債権の穴埋めなどのために行っていた」と説明した。
酒造会社側の説明によると、同社は平成19年、三笠フーズのグループ会社「辰之巳」に、国産の特等米500俵
(30トン)の精米加工を委託した。辰之巳はこの米を低い等級の米に買い替えて精米し、酒造会社に納入。さらに、
買い替えで生じた差額分140万円を冬木被告が同社社長に手渡ししていたという。
この酒造会社は日本酒や焼酎などすべての酒を国産米で製造しているが、多くの酒で原料米の銘柄を特定する表
示はしていない。このため、等級の低い国産米の使用について、社長は「許される範囲内と思っていた」と説明している。
また、捜査関係者によると、冬木被告は差し替えによる裏金の一部を三笠側も得ていたと話しているが、酒造会社
側は、差額全額が提供されているとの認識だったという。
両社の取引関係は30年以上に渡る。原料米の差し替えによる裏金づくりは昭和40年代に始まり、平成19年まで
ほぼ毎年行われており、酒造会社社長は多い時で二百数十万円を冬木被告から受け取ったという。
この酒造会社は明治創業の老舗。事故米転売事件では、三笠側が殺虫剤に汚染された非食用のベトナム産うる
ち米を販売した酒造会社6社のうちの1社で、被害企業となっている。
2009.3.31 01:50 MSN産経
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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