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グッドウィル仲介の公認会計士側、議員秘書に利益660万円
旧「グッドウィル・グループ」(GWG)の人材派遣会社買収に絡み、仲介した
公認会計士(51)側に計約180億円が流れていた問題で、会計士側がこの
資金の一部で自民党・中川秀直元幹事長の公設第2秘書らが出資していた
携帯電話リサーチ会社を買収していたことがわかった。
買収額は破格の高値で、秘書も持ち株の売却で660万円の利益を
手にしていた。会計士に近い関係者は「元幹事長とのパイプがあれば、
何かの時に役立つと考えた」と証言している。
会計士側が買収したのは東京都港区にあった「モバイルジャッジ」。GWGが
2006年10月、人材派遣会社買収のためにコリンシアンファンドに出資した
883億円から会計士側には約180億円が入っていたが、会計士側はこの
一部でGW投資事業有限責任組合(GWファンド)を設立。07年7月にこの
ファンドでモバイル社の株主7人から全株式の50・1%にあたる301株を
1株60万円、計1億8060万円で買い取った。
モバイル社は、同年2月に中川元幹事長の当時の第2秘書らが出資して
設立されたベンチャー企業。秘書は設立時に1株5万円で24株を取得しており、
このうち12株の売却で計660万円の利益を手にしていた。5か月で企業の
価値が12倍に膨らんだ形だが、買収時点の売り上げは計126万円で、
経常損益は3118万円の赤字だった。
会計士側は高値での買収に応じた理由を、モバイル社から経済産業省の
事業「情報大航海プロジェクト」の受注先の1社に内定したと聞いたためと
説明する。しかし、関係者は「買収を通じて政界の実力者の秘書に接近
できれば、投資先の企業に問題が起きた時に心強いと思った」と証言、
秘書らに利益を上げさせるのも目的だったことを認めている。
「情報大航海」は、IT産業活性化のために国の支援で情報検索・解析技術
などの開発を目指す事業で、モバイル社は買収を打診した約3週間後、
ネットによるアンケートシステムの実証実験を約1億円で受注した。しかし、
その後は業績が低迷。会計士側などは昨年7月、モバイル社と別のIT
関連会社の株を株式交換したが、IT会社はその後1か月余で経営破綻
(はたん)、損害を被った。モバイル社も11月に解散した。
秘書は昨年2月に公設秘書を辞職、中川元幹事長の事務所を先月に
退職した。読売新聞の取材に「友人に誘われ、投資目的でモバイル社株
を買った。将来性のある事業があり、高く株が売れるとだけ聞いていた。
どこに売ったのかも知らない」と話した。元幹事長の事務所は「元秘書個人
の取引だが、誤解を招く結果となったことは極めて遺憾です」とコメントしている。
モバイル社社長は、取材への具体的な回答を拒否している。
▽ソース 読売新聞
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)