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実在する医師に成り済まし、船橋市内の診療所で約三十年にわたり無資格医療行為を繰り返していた事件で、医師法
違反などの罪に問われた市川市幸一、無職、長谷川幸夫被告（６５）の論告求刑公判が二十八日、千葉地裁
（彦坂孝孔裁判長）であり、検察側は「患者の生命、身体の安全を考えず身勝手」として懲役四年を求刑した。
長谷川被告は医療行為を始めたきっかけについて、被告人質問で「（当時の）院長から『白衣を着て座っていて』と
言われた」と供述した。
長谷川被告の被告人質問の供述によると、東京都内の検診所でレントゲン車の運転手をしていた一九八三年ごろ、
仕事が少なく生活に困り、当時の院長に相談したところ「夜に白衣を着て座っていてくれないか」と言われ、当直医の
ふりをして報酬をもらうようになった。
患者への処置が必要な場合、当初は、看護師に任せたが、不安にかられるなどしたことから独学で知識を身に付け、
船橋診療所に移った九三年ごろに投薬や注射などの本格的な医療行為を始めたという。
長谷川被告の弁護側は最終弁論で「自分から（無資格医療行為を）始めたわけではない。病気の家族の医療費を
ねん出する必要もあった」などとして猶予刑を求めた。
起訴状によると、長谷川被告は二〇〇七年十月二十二日―昨年十月二十七日の間、船橋市湊町二の「医療法人社団
青山会船橋診療所」と船橋市の急病診療所で、同市内の子供を含む患者十人に、診察や薬の処方、注射などの医療行為を
行ったとされる。
ちばとぴ
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