08/12/29 18:58:23
被害が収まる気配のない振り込め詐欺。警察庁によると、今年1~11月の認知件数は1万9084件で、
被害総額は約264億円に上る。しかし、警察や自治体が対策に万全を期す中で、「詐欺にひっかかる方が
悪い」との声も高まる。だが、詐欺グループの手口は極めて巧妙だ。被害者である前橋市内の主婦(50)が
重い口を開いた。
10月25日午後5時。台所で慌ただしく夕食の準備をしていると、電話が鳴った。「もしもし、
おれだけど」。変声期のような、特徴のあるかすれた声。東京の私立大に通う長男(22)からだと思った。
長男から電話が来ることは珍しかったが、「長男」は安否を伝えることもなく用件を切り出した。
「携帯電話が壊れたから、新しい番号を控えてほしい」。言われた番号をメモ帳に殴り書きしたが、
ふと気になって尋ねた。「声が少しおかしいみたいだけど」「風邪をひいちゃったんだ」。向こうも忙し
そうだ。すぐに通話を終え、料理を続けた。
午後7時。会社員の夫(51)と長女(24)は出張や夜勤で帰らず、夕食は中学3年の二女(15)と
2人きりだった。長男の話をすると、二女は首をかしげた。「変だな、お兄ちゃん、この前ケータイ変えた
ばかりなのに。はやりの『振り込め詐欺』なんじゃないの」。直接通話したのは母親である自分、まさか
間違えるはずがない。娘の“冗談”に、声を出して笑った。
皿洗いを終えたあと、念のため長男の以前の番号に電話をかけてみた。数回の発信音の後、機械アナウンスの
声が響く。ほら、やっぱり間違いないわ-。
この日から長男がベトナム旅行に飛び立っていたことを知るのは、2日後のことだった。
(>>2へ続く)
msn産経ニュース
URLリンク(sankei.jp.msn.com)