08/12/02 16:28:55
★言葉の大切さを理解していない麻生総理
経済アナリスト 森永 卓郎氏
就任前から懸念されていたことだが、麻生総理の失言が止まらない。
先日は、医師の会合に出席して「医者は変な人が多い」と言って問題になったが、
今度は医療費を巡って「何もしない人の分を何でわたしが払う」と述べている。
さらに、これ以外にも、大きく報道されていない失言は山のようにある。
一部には、そうした発言に対して、「思ったことをズバズバ言って気持ちいい」
「正直な人だ」などと評価する向きもあるが、居酒屋でサラリーマンがクダを巻いているのではない。
一国の総理大臣の発言としては、あまりに軽率であるとしか言いようがない。
その一方で、漢字の誤読についてもずいぶん報道された。
日中関連のイベントで「四川大地震は『みぞゆう(未曽有)』の自然災害」
「これだけ『はんざつ(頻繁)』に両首脳が往来したのは例がない」と読んだり、
参院本会議で「村山談話を『ふしゅう』(踏襲)する」とまで読んだ。
最後の例は「踏(ふ)む」と「襲」という、知っている漢字の読みを組み合わせたのだろうが、ちょっとお粗末だ。
もっとも、単に漢字が読めないだけならまだいい(本当はよくないが)。
しかし、これはただ字が読めないというだけではなく、もっと深刻な問題をはらんでいるとわたしは思うのだ。
URLリンク(www.nikkeibp.co.jp)
●国会答弁も下読みをせずにぶっつけ本番?
麻生総理の「失言」と「誤読」--この2つは、全く関係ないように見えるかもしれないが、
実は根本の部分が共通していると、わたしは考えている。あくまでも仮説だが、
麻生総理はきちんとものを考えていないのではないかと思うのだ。
麻生総理が失言をするのは、頭にぽっと浮かんだことを、脳でしっかり吟味することなく
口にするために起きるのだろう。では誤読はどうかといえば、これは国会答弁やあいさつ文を、
きちんと下読みしていないために起きる。下読みをしていれば、分からない漢字や、
あやふやな漢字がでできたら、周囲の人に聞いたり調べたりするはずだろう。
もしかすると、重要な答弁についても、ほとんどがぶっつけ本番で読んでいるのではないか。
わたしが大学で学生にレポートを提出させるときは、その文章を本人に読ませることにしている。
なぜなら、自分で書いたのかどうかが分かるからだ。自分で読めない字を書くわけがない。
もし、読めない漢字や熟語がでてきたら、その文章は、どこかからコピーしてきたと判断していいわけだ。
もちろん、原稿を自分ですべて書けといっているのではない。これまでは、自分の意向をブレーンに語り、
それをブレーンがまとめるというやり方をしてきた人も多いようだ。だが、その場合でも、
本番前に自分で読んで内容をチェックして、最終的に自分のものにしてから読むのが当然だろう。
テレビのニュース番組にしても、突然入ってきたニュースを除けば、必ず何度も下読みをしている。
そして、地名や人名をはじめ、分からない読みがないか入念にチェックしているのだ。
総理大臣の言葉は、庶民の繰り言とはまったく違う。
いったん口にしたことは、一瞬のうちに世界中に流れてしまい、取り返しがつかないのだ。
いきなり初見で答弁をして、もし自分の意見と異なることが書いてあれば困ってしまうだろう。
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