08/11/05 10:17:05
>>12の続き
●「愛国」とは何か?
田母神「<論文>」の結論のような最終部分には
「日本というのは古い歴史と優れた伝統を持つ素晴らしい国なのだ」
と、スローガンとして「イイタイコト」が書かれています。
田母神さんが何を念頭に、こう書かれたのかわかりませんが、私も自分の専門領域では、
主に海外で日本の歴史や伝統の美点を強調する話をします。
ところが、右派系と言われる人と同席して「大切な日本の伝統」などと発言され、
「具体的に何が?」と訊ねると、あまりまともな答えが返ってきません。以下は実際にあったやり取りで、
ある席でやたらと伝統を強調する人が居られたので、ちょっと考えまして
「あの…ではちょっとお伺いしたいんですが…例えば宮内庁楽部で舞われる舞楽がありますね。
あれ、右方の舞と左方の舞の違いはご存じですよね?」
とか
「じゃあ別の例で…『能舞台』という舞台空間は、世界の演劇史の中で極めてオリジナルなものとして、
たいへんに高く評価されているわけですが、理由を外人向けに説明するとき、どこから強調するといいでしょうね?」
などと(意地が悪いかもしれませんが)具体的に突っ込むと、言葉に詰まって答えられないことが多い。
この手の質問をして、まともな返事が返ってきたためしがありません。
「じゃ音楽とかでなくてもいいです。具体的に一つでもいい、きちんと例を挙げて、国際社会のみんなが納得する、
日本の美点を説明してほしいんですが…」
なんて言うころには
「…もう勘弁してくださいよ、もっと素朴な日本人のこころを言いたいだけなんです…」
などとお茶を濁されてしまう。主として外国向けに日本の伝統や文化をアピールしている私は、
このあたりがお寒いのが正直とても不満です。
(続く)