08/11/05 10:13:32
★KY空幕長の国益空爆/伊東 乾の「常識の源流探訪」
この記事がオンエアされる日本の11月5日は、米国は大統領選挙の真っ最中に当たります。
そこで今回は大統領選挙と金融不安対策を、一連のノーベル賞の話題とも関連づけて
お話しよう…などと思っていたところ、トンでもない話が降ってきました。
航空自衛隊の田母神俊雄・前空幕長の「論文」と「更迭」の問題です。
ちょっと調べてみて、これは触れないわけには行かないと思いました。
先に結論を言えば、不用意かつ「あなた任せ」の情報発信は危機管理意識の欠如としか言いようがなく、
KY=「空気読めない」自衛隊最高幹部が日本の国益を空爆しているのと変わらない。
ノーインテリジェンスです。いかにそれが無思慮かつ丸腰か、ポイントを具体的に指摘してみましょう。
●「定年退職」で済む問題か?
田母神氏の処遇をめぐって防衛省は大揺れしたとのことですが、3日の夕刻、結局「定年退職」という
形に落ち着きました。懲戒もなく、役場にとって最も「傷の浅い」収拾策が取られたとのことで、
数千万円に及ぶ退職金も支払われるようです。
明けて4日、防衛省は増田次官以下に減給などの処分を下すほか、浜田防衛相も閣僚給与の一割を
自主返納、麻生総理も「再発防止」を厳重に指示しましたが、当の田母神氏は3日夜に読み上げた
「退職にあたっての所感」の様子を見る限り、問題の本質的ポイントを一切理解していないように見えます。
田母神氏の主張は「自分は信念を持って正しいことを言ったのだ」という一点に尽きていますが、
軍の指揮系統下にあって下僚が勝手に信念で上官の方針に背いているという実態や、それが引き起こす
想定外のリスクなどに全く気がついていません。
防衛省は給油法案など「連休明けの国会審議」あたりを気にしての処理と報道は伝えていますが、
今回の問題の本質はそんなところにはありません。
見出しでは「KY」などと軽い表現をとりましたが、この問題はサンフランシスコ講和条約以来の
日米関係に影響を及ぼしかねない「国難」だったことを、どれほどの関係者が理解しているのか、疑われます。
厳重な再発防止のためにも、今回の件、そしてそれが今現在も持っているリスクまで含め、細かに検討する
必要があると思います。 (続く)
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