08/10/06 00:42:00
裁判官「主文。懲役一年六月、保護観察付き執行猶予三年に処する」
九月二十九日、さいたま地裁一〇二号法廷。丸刈りでTシャツにジーパン姿の無職杉田敦史被告(23)=千葉県船橋市丸山=
は手を後ろに回して立ち、判決を聞いた。表情は見えない。
裁判官「人の痛みを想像さえしない無神経さはとうてい看過できない」
西野牧子裁判官が判決の言い渡しを終えると、杉田被告はあくびをしながら法廷を後にした。
杉田被告は六月二十九日、インターネットの掲示板「2ちゃんねる」に埼玉県三郷市の母校である小学校を名指しし、「明日
午前十一時に小女子を焼き殺す」「おいしくいただいちゃいます」と書き込んだ。秋葉原の無差別殺傷事件の直後だったことも
あり、学校は授業参観を中止するなどの対応を迫られ、威力業務妨害容疑で逮捕された。「小女子」は魚のイカナゴの別称
コウナゴとも読め、杉田被告は、取り調べで「捕まるかどうか際どい文章で勝負した」と供述したという。
検察官「目的もなく『人を殺す』と書くんですか」
杉田被告「人じゃないですよ」
検察官「(学校関係者は)びくびくして暮らしていたんですよ。まだそんなことを言うんですか」
杉田被告「はい」
犯行の目的を問いただされても、被告人席の回転いすで体を左右に揺すりながら「何もないです」と繰り返した。法廷での態度
を見て杉田被告の行く末を心配した検察官が、弁護士に「(杉田被告の将来のことを)何とか頼みますよ」と声を掛けたことさえ
あった。
「2ちゃんねる」に書き込みを始めたのは五年ほど前。過去にも何度か爆破予告などの書き込みをしたという。今回の書き込み
の後には、翌朝までに五百件以上の反応があった。
弁護士「(書き込みの)『犯罪だ』という指摘を読んでどう思いましたか」
杉田被告「別に、何も思いません」
弁護士「(ネット上で)自首を勧める人もいたのに、警察に行こうと思わなかったのはどうして」
杉田被告「家から出るのが面倒くさかったからです」
高校を中退後、アパートで一人暮らし。家族とも疎遠という。アルバイトをしたこともあったが、外出はあまりせず、自宅にいる
ときは大抵パソコンと向き合っていたという。法廷では、弁護士から「友だちはいないの」と聞かれ、「います」とムッとし、一瞬
感情をあらわにした。
被告人質問では、「自分には一生暮らせる資産があるので今後は働かず、ネットも使わない」と宣言した。
検察官「(今後は)何をするの」
杉田被告「何かしないと駄目ですか」
検察官「何もせず、一人で過ごしていくの?」
杉田被告「はい」
誰も杉田被告の心の内をのぞけないまま、公判は終わった。
ソース(東京新聞) URLリンク(www.tokyo-np.co.jp)
イラスト=犯行目的を問われても「何もないです」と人ごとのように繰り返した杉田被告=さいたま地裁で
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