08/09/29 06:58:02
★【主張】中山国交相辞任 信頼失う言動くり返すな
中山成彬国土交通相が辞任した。一連の問題発言が臨時国会審議の支障になりかねない
などを理由とした。「日教組解体」などの発言は、閣僚としての適格性を疑わせるものであり、
辞任はやむを得ない。
中山氏は25日の就任インタビューで、成田空港拡張への反対を「ごね得」などとし、
大分県教育委員会での汚職に触れ「日教組の子供は成績が悪くても先生になる」と論じたほか、
「日本は単一民族」と発言した。26日に成田問題と単一民族発言を撤回、謝罪したが、
日教組に対しては27日、「解体する。ぶっ壊せ運動の先頭に立ちたい」などと語った。
成田問題については「よくわからない点もあった」と釈明したが、1日で撤回せざるを
得ないような発言では思いつきと受け取られよう。所管大臣として事実関係は踏まえてほしかった。
日教組批判は確信行為のようだが、所管外の分野で政治的スローガンに近い
言葉を叫ぶことが必要なことなのか。これでは閣僚としての職責は果たせない。
中山氏は4年前の第2次小泉改造内閣で文部科学相に就任し、
全国学力テストの導入や竹島が日本固有の領土であることの指導要領への明記を求めた。
文科省がそれまでの「ゆとり教育」を反省し、学力向上へ本格的に舵を切ったのは
中山文科相のときからだ。当時も日教組教育に批判的だったが、
政治家は言葉が命であることをわきまえて発言していたようにみえる。
内閣発足から5日目の辞任であり、政権には打撃だ。内政・外交の懸案が山積しているのに、
その打開に取り組もうとせず、緊張感を欠いている閣僚がいたことは政権への信頼を揺るがす。
中山氏起用は最大派閥・町村派の要請を麻生太郎首相が断れなかったためと伝えられている。
派閥力学に屈している限り、首相は指導力を発揮できまい。
後任は古賀派の金子一義元行政改革担当相だ。
態勢を立て直し、国民の利益や国益を実現する捨て身の姿勢をみせてほしい。
一方、与党内には、補正予算案の審議に入れば、野党の攻勢を受けて支持率がさらに下がると
心配する向きがある。早期の衆院解散・総選挙を求める理由なのだそうだ。
そんな逃げの姿勢で国民の信が取り戻せないことは、首相がもっとも熟知していよう。
産經新聞 URLリンク(sankei.jp.msn.com)