08/09/17 14:28:56
「今や株価は永久的な高原状態に突入した」。
こう述べたのは計量経済学の創始者で、
資本・貨幣理論、物価指数論などで現代経済学に大きな貢献をした米エール大のＩ・フィッシャー教授だ。
１９２９年１０月のことだった
▲お気づきだろうがその数日後には「暗黒の木曜日」といわれる株の大暴落と、
それに端を発した大不況が迫っていた。教授の発言は単に有名学者が見通しを間違ったというだけの話ではない。
教授自身、当時のお金にして数百万ドルという巨額の投資金を大暴落で失ったのだ
▲「永続的な株高」などという話は、今聞けばいかにもバブルっぽい。だがブームの渦中にあっては
経済学の賢人にして自分の財産を失うまでそう信じたのだからバブルは怖い。
そして今またウォール街は、米住宅価格の上昇が永遠に続くという泡のような幻想の後始末で大揺れだ
▲住宅バブル崩壊によるサブプライムローン問題の深刻化は、
ついに米証券の老舗リーマン・ブラザーズの破綻（はたん）をもたらした。
金融不安は連鎖的に広がり、ニューヨーク株やドルは急落、
それこそ大恐慌以来ともいう金融危機の様相を見せる
▲このリーマン・ショックで、日欧や新興国でも軒並み大幅な株価下落に見舞われている。
米国の金融不安が世界的な景気後退懸念とも連動しての世界同時株安である。不安の連鎖反応が直ちに地球を覆い、
人々の運命を左右するグローバル経済だ
▲日本人にはいやでもかつての山一証券破綻や金融システム不安が二重写しとなるリーマン破綻である。
人が繰り返す同じ過ちにはつくづくあきれるが、せめて混乱封じ込めには過去から学んだ教訓を十分に生かしたい。
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