10/03/21 19:15:02
アンクル穴石交換ほか:
アンクル受けと取り外された穴石。アンクルの穴石がアンクル真の太さに合っておらず、大きなガタ
を生じていました。幸い、アンクル真に損傷は見当たらなかったため、穴石を交換して対処して貰い
ました。同時期の19セイコーのジャンクから取られた穴石と交換したところ寸法がぴたりと合ったと
のことなので、これは往時に祖父が依頼した整備・修理によって寸法の合わない穴石に交換されてい
たものと推定されます。なお、香箱内のゼンマイにはニバフレックスと思われる合金が用いられてお
り、数十年は経っている筈の現在もなお充分な弾力を保っていました。鉄ゼンマイに比べればいかに
画期的な素材だったかが伺えます。
組み立てられたムーブメント。 実測してみると、平姿勢では進み、縦姿勢では遅れの傾向があるもの
の、日中は提げ、休むときには置くという生活パターンを想定し、実用上の精度を重視して調整を行っ
て貰いました。
その結果、携帯精度は一週間でマイナス10秒程度。一週間にプラス2秒とかいう数字が出たりする
(さすがにこれは持ち歩くうちに誤差が誤差を打ち消した結果と思われるが、それでも一週間で誤差
10秒未満というのは珍しくない)
23石仕様のアメリカ鉄道時計と比べるとちと分が悪くはありますが、実用上充分な精度が出ている
と思います。ひとしきり堪能したことでもあり、この時計は祖母の手に戻そうと思っていたのですが、
これで自信を持って渡す事ができそうです。