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ETA7750にも危機の時代があった。そう、あのクォーツショックである。
実際ETA7750は70年代後半に生産を中止している。
だが、80年代に入って再び生産を開始する。クロノマットのムーブとして需要が出来たからだ。
この時、7750の顧客はブライトリングだけであった。
機械式自動巻クロノグラフがパイロットウォッチとして必要だと感じて、
企業哲学にのっとって凛とした姿勢で作り続けたのである。
これは単なる腕時計としてではなく、プロが腕に装着する計器であるとして、製品哲学を遵守したためである。
もしこの時ブライトリングがクロノマット用に大量のETA7750を購入する事がなかったら
そのまま7750は歴史に埋もれて、現在のような代表的汎用ムーブメントとして再び日の目を見る事はなかったであろう。
ブライトリングは後の名器ETA7750の未来を救ったのである。
これは同時に、その後生産される色々のメーカーからの自動巻クロノグラフの未来も救ったのである。