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海外のAV機器拠点支援、ソニー、千葉の工場に集約―現場ノウハウ、素早く移転。
2009/10/22, 日経産業新聞
ソニーはビデオやオーディオ機器を生産する海外工場の支援体制を見直す。
従来は本社が生産性改善などの指導を担当していたが、国内の主力工場である
木更津テック(千葉県木更津市)に「グローバルオペレーショングループ」を
新設して機能を集約した。生産拠点に海外支援の役割を担わせ、現場で培った
ノウハウを海外に効率よく広げられるようにする。
生産統括子会社のソニーイーエムシーエス(東京・港)が運営している木更津
テックに、グローバルオペレーショングループを置く。海外支援業務に従事して
いる約100人を本社から新組織に出向させた。海外工場の生産性改善や品質・
コスト管理の強化などは本社がこれまで指導していたが、木更津テックが担う体制とする。
DVDやブルーレイ・ディスク(BD)関連機器、オーディオ製品を生産するマレーシア、
ハンガリー、中国、ブラジル、タイの工場を指導する。支援機能はそれぞれの
製品を担当する本社の事業部に分散していたが、1拠点に集約してノウハウを共有。
生産拠点に隣接した立地とすることで、新たに開発した効率的な組み立て手法なども、
短期間で海外に移転・展開することを目指す。
木更津テックは1953年に稼働した。閉鎖予定の工場を除きソニーの国内生産
拠点としては最も長い歴史を持つ。現在は国内向けのBD録画再生機を全量
生産しているほか、オーディオ機器やソニー・コンピュータエンタテインメント
(SCE)の家庭用ゲーム機「プレイステーション3」などを担当している。
デジタル家電はアジアメーカーなどとの価格競争が激しくなり、事業採算性が
悪化している。ソニーは固定費低減のため生産拠点を集約、EMS(電子機器の
受託製造サービス)の利用も増やしているが、国内工場は海外工場支援のほか、
設計など付加価値が高い業務の割合を引き上げ生き残る道を模索している。