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【社会】野良猫の餌やりをめぐるトラブル絶えず 「捕獲」か「共存」か 自治会の割れる対応…東京・多摩
住民同士が裁判で争うなど、野良猫の餌やりをめぐるトラブルが絶えない。立川市でも、
1匹残らず「捕獲」するのが最善と市に対応を迫る自治会があれば、一方で住民が世話して
「共存」する自治会もある。こうした現状を踏まえ、市は新年度から野良猫に関する
トラブル解決の支援に乗り出す。
多摩川河川敷に接する立川市南部の柴崎町。住民の青木誠さん(67)は07年12月、
河川敷で餌やりをしていた女性に注意しようと袖を引っ張ったところ、逆に暴行容疑で警察
に訴えられ、取り調べを受けた。「こんな悔しい思いは生涯忘れられない」
この地域では、野良猫が庭を荒らし、道ばたにフンが転がるなど被害が絶えないという。
河川敷という場所がら、散歩ついでに餌やりをする人も少なくない。地元自治会「柴五会」
は今年、野良猫を捕獲し、餌やり禁止を求める約600人の署名を数回に分け市に提出した。
加藤富博会長は「猫アレルギーで病院に通う住民もいる。無責任に餌やりをする人たちと
共存はあり得ない」。
同市北部、栄町の自治会は対照的に野良猫と「共存」の道を選んだ。昨年3月、住民有志
が「栄町猫対策委員会」を発足。約500メートルの遊歩道の生け垣に住みついている
40匹以上の猫に不妊・去勢手術を施し、寿命まで世話する。俗に言う「地域猫」活動だ。
野良猫に関する苦情や相談会を14日に開くなど、啓発活動も熱心だ。ただ、獣医師の
好意で相場の半額以下とはいえ、1匹5千~1万円かかる手術費用はカンパが頼り。発足
1年で100万円を超え、資金調達も限界に来ている。
代表の宮本充さん(50)は「もはや個人のレベルで解決できる問題ではない。市の重大
な課題といってもいい」。
▽朝日新聞
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