08/10/06 12:15:07 AVNS+tSL
≪弁護活動の失敗≫
被告は、安田好弘弁護士らが選任された18年の上告審から、それまで認めていた犯罪事実について否認に転じた。
死後に乱暴したのは「生き返らせるため」。遺体を押し入れの天袋に入れたのは「ドラえもんの存在を信じていたから。押し入れに入れれば、
ドラえもんが何とかしてくれると思った」などと新たな供述を始めた。
被告が新たな供述をすることや、弁護団がこうした供述に依拠した弁護活動をすることが論議を呼んだが、刑事裁判の手続き上はその手法は
違法ではない。
ただ、判決はこうした供述の変遷を「死刑を免れようと虚偽の弁解を弄(ろう)しているというほかはない」と厳しく指弾した。弁護活動と
しては完全に失敗したといえる。
安田弁護士は判決後、「もう一度証拠を検討し直し、正しい判決を出すよう強く求める」と、上告審を見据えた発言をしたが、被告の主張が
受け入れられる可能性は低いとみられる。
≪確定はいつ≫
戦後、最高裁が2審の無期懲役判決を「量刑不当」として破棄したのは、光市の事件で3件目。前の2件は差し戻し審で死刑が言い渡され、
確定している。前の2例は、4人射殺の永山則夫死刑囚=9年執行=と、仮出所中に強盗殺人事件を起こした西山省三死刑囚(55)。両ケース
とも、差し戻し審判決から死刑の確定まで約3年かかった。
被告側は即日上告したが、最高裁判決がいつになるのかは未知数だ。ただ、最高裁としても、「遺族にとって9年は非常に長い」という遺族の
本村洋さん(32)の言葉を重く受け止め、早期に結論を出す必要があるだろう。
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≪判決骨子≫
一、1審判決を破棄し、被告を死刑に処する
一、差し戻し控訴審での新供述は不自然、不合理だ
一、1審判決が認定した事実に誤認はない
一、犯行時18歳になって間もなかったことなどは、死刑を回避する特に酌量すべき事情とまでは言えない。元少年は反省心を欠いている
一、責任は誠に重大で、極刑はやむを得ないというほかない