10/02/08 21:30:39
>>436の続き
それからのもけおは妄想に耽ける日々を悶々と過ごしながらアイスクリーム屋へと通った。そうするうちに
都が週2,3回出勤してくることもわかった。
9月下旬のその日、フードコートの隅で飲み物を飲みながらアイスクリーム屋を見つめるもけお。と、やっ
て来た一人の若い男の客と親しく話してる都。
『誰だろ…まさか彼氏。』
ただ都を眺めあらぬ妄想を繰り返すだけで幸せだったもけおの心に黒雲が沸き上がる。気になって仕方
ないもけおはアイスクリーム屋のカウンターに歩み、男の後ろに並びかける。と、もう一人のバイト…すらっ
と背の高い娘が声を掛ける。
「こちらへどうぞ。」
男の隣で商品を選ぶ振りで都と男の会話に耳を傾ける。
「……一緒に行かんで?」と都。
「うん、考えとくよ。」
『何なんだろどこか誘ってんのか? どんな仲なんだ?』
何だか妙な不安感がわき起こるもけお。
「何にいたしましょう?」
「ん、え~と、チョコミント…・」
「じゃ、またね。」
「うん、あ、その制服似合うね。いつもと全然雰囲気違うし…。」
「ありがと、そんな似合うでぇ?キャハハ」
「うん、それじゃね。」
明るい笑顔で見送る都。
『いつもと…ってことは大学の仲間なのかな?』
アイスを手にトボトボとフードコートの隅に向かうもけお。
暗い気持ちで家に向かう、もけお。その夜はますます眠れぬまま朝を迎えた。