10/05/15 02:10:34 2PQE5YSW
鮭様と夜泣き力士
秀次事件で処刑された愛娘の為に義光は天童の名刹専称寺を
駒姫の為に勧進した。
移築には多くの人足が集められ、本堂伽藍には名匠左甚五郎によって
梁を支えるまわしまで締めた「力士像」も作られた。
落成が終わり義光が山形城に戻り仮眠をとっていると
夢の中に今詣でてきた専称寺が出てきた。
でも、なにかおかしい・・・
境内で力士達が相撲をとっているではないか!?
義光「・・・ここ、駒姫の菩提を弔う菩提寺だよね?なんで相撲をとってるの?」
力士達「いやぁ、屋根を支えるのって意外とヒマで大変なんですよ~」
義光「!?!?」
何度か同じ夢を見るにあたり義光が専称寺に足を運んだところ、
成程、確かに伽藍の四方で夢に見た力士像達が屋根を支えていた。
次の夢に力士達が出るに当たり義光は静かに切り出した・・・
義光「お前たちは駒姫を魔から守る為に作られたんだよ?
その役目も果たせないなら・・・釘で足を固定して持ち場を守ってもらうか・・・
真面目に働くならそんな事はしないけど、
もし役目を果たさず相撲をとってるところを見たら次は種子島で撃つよ・・・」
以降専称寺からは夜な夜な力士像達の屋根の重荷に耐える「アッー!」と啼く声が聞こえたという。
*「出羽に伝わる昔話」より(「夜泣き力士」にはいくつか違う種類の昔話が伝わっております)