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天正19年(1591)、前田利家は突然、豊臣秀吉に聚楽第へ呼び出された。「やぁ又左、大儀。」
「して、殿下。本日お呼びの御用向きとは?」
「うん、蒲生と伊達の騒動なんだけどさー。法的決着は着いたんだけど、和解交渉が難航しちゃって。
今、別室で二人がキレる一歩手前になってんのよ。ちょっと行って仲裁してくんね?」
工エエェェ(´д`)ェェエエ工
利家が交渉中の座敷に入ると、当事者二人と浅野長政、前田玄以、細川忠興、佐竹義宣、金森、有馬等
そうそうたる大少名がにらみ合っていた。(ホントに一触即発だコレ――!?)
(あああああ、利家殿!良いところに来てくださった!)(ちょっと玄以ちゃん、これどういうことなの?)
(いや、蒲生殿押し気味で話が進んでるのですが、取り巻きが納得せず…
・佐竹義宣………伊達派の中心。血縁・地縁からか、政宗寄りの発言を連発。
・細川忠興………蒲生派の中心。立場・趣味など氏郷に近い親友、言わずもがな。
・浅野長政………中立派の中心。伊達家の申次で、蒲生とも親しい仲裁すべき人物だが、沈黙。
こんな感じで他の大名たちもモメてモメて。私ではもう変に口を挟めず、もう利家殿だけが頼りなんです!)
(気の滅入る情報、アリガト…)
利家が当事者二人を見ると、政宗は服こそ礼法にかなった肩衣だが、朱鞘に一尺八、九寸の大脇差を差し、
氏郷は雨鞘(雨天等用に滑りにくい仕立てにした、実戦向きの鞘)の脇差。どう見ても殺る気である。
「伊達殿、その脇差…」「いや、拙者は遠国の田舎者ゆえ、かかる不調法なものを…されど
「いや、さすが『伊達』な仕立ての物を持っておられるのぅ!!」(原文:政宗ハだて成仕立とご挨拶…)
「………」「………」
「い、いやぁホラ………『だて』だけに?」
「……………」「……………」
( ● ,_ゝ゚) ゚,_ゝ゚)プッ
その後、座敷に酒肴が運び込まれ、無事に利家の功(?)により難事の手打ちは済んだ。