10/03/21 21:55:26 5RVd4+cT
徳川家康が駿府に隠居していたときのこと
駿府に挨拶に訪れた秀忠に、家康は、自ら茶でもてなし、
村田珠光がこれを見たとき感動のあまり頭巾を落としたという言い伝えのある「投頭巾の茶入」を送った。
秀忠は大喜びだった。
その後、家康は上機嫌で家臣にこう語った。
「よく隠居するときは財産も一切合財譲るのが潔いという人がいるが、何もわかっとらん。
人というものは、隠居してもいろいろ口は出したくなるものだが、子供にしてみれば全部引き継いだのだからいまさらなにをという気になる。
だから仲のよかった親子が、親の隠居後不和になることが多い。
わしのように財産を少しずつ譲っていくようにすれば、子は感謝の気持ちを持ち続け、仲のいい親子のままでいられる。」
同じ年に死んだシェークスピアの「リア王」など家康にしてみれば愚かさの当然の報いといったところか。
そういえば我が国にも息子に家督を譲ったはよいが、その息子が暴走して戦争を起こしまくり、息子に負けた敵に泣きつかれ、
渋る息子を説き伏せたものの、当の敵にさらわれ、息子に敵もろとも撃ち殺されたご隠居がいたような