10/03/09 10:18:57 Hau0spFR
悪い話だと悪意を持って書かれる事が多かったり、アンチが寄って来て
大いに盛り上がるが、良い話だとあまりレスがつかない伊達政宗の
ちょっと良い話。
ある時、近隣の小姓や若手衆に屋敷の掃除を命じたのだが、その際に
某という者に掃除の差配役を執らせた。するとその某はなぜか表立っては
見えぬ場所ばかりに掃除の指示を出していたので、他の若衆がなぜ見えぬ
場所ばかり掃除させるのだと詰め寄ってきた。
するとその某は「見える所はそれほど入念にせずともよい。
むしろ縁の下や人の目が付かぬ場所こそが、お家のためには肝心ぞ。」
と説明した。
これを聞いたあるものは「ははーん、これは奉公の心構えの事を
言ってるおるのだな」と思い、あるものは「そんなものか」と思い
それぞれ納得して指示に従った。
それをたまたま見聞きしていた政宗、掃除が終わったあとにその差配していた
某を呼びつけこう言った。
「よいか、お前は見所のある若者なので、いずれ人の上に立つ役職を
任せるつもりである。たしかに武士においては表だけでなく裏にも
気を使うのは重要であろう。だが才気ばしって裏にばかり気を使い、表を
おろそかにするものは、いたずらに足元を救われる事になる。
人の上に立つ者であれば裏だけでなく表も十分に気をつけておくのが肝要ぞ。
でないと下の者を路頭に迷わせる事になろう。ゆめゆめ忘れるでないぞ。」
と諭したので、その若者は自分の考えを恥じ、次からは表も裏も両方綺麗に
掃除するようになったそうな。
政宗の家臣への心構えを教訓した、ちょっと良い話。