10/02/25 19:15:45 FCValMqL
阿部忠秋のエピソード
ある寺の僧侶が他国の寺へ転属する様命令を受けた。ところがこの僧侶、どういう訳か頑として
この命を聞き入れなかった。そこで忠秋は松平信綱と共に説得に向かった。
最初に信綱が僧侶に理路整然と僧侶に転属の理由を述べ説得したが・・・
僧侶「信綱様の申される事、一々最もだと思います。」
信綱「おお、では転属の件、受けて頂けますな?」
僧侶「だが断る!拙僧の最も好きな事の一つは理路整然と理由を話せば納得するだろうと思っている者に
「否」と断る事です。どうしてもと申されるなら他の方を転属させればよろしいでしょう。」とかえって反発してしまった。
今度は忠秋が説得を試みた。
忠秋「「誰だ」って聞かれる前に自己紹介しますが私はおせっかい焼きの阿部忠秋!同僚の信綱殿が心配で付いて来た。
僧侶殿、どうしても他の寺へ行きたくありませんか?」
僧侶「たとえこの事でお咎めを受ける事になろうとも、ここから離れる気はありません。」
忠秋「では咎めとして御坊には転属を申し付ける!これなら文句はありますまい。」と忠秋がいったとたん、僧侶は笑いながら
僧侶「これは一本取られましたな。知恵伊豆様(信綱)より豊後様(忠秋)の方が上手ですね(知恵がある)。私もクールに去るとしましょう。」
と話を受け入れたという。上手く相手の揚げ足をとった忠秋のいい話。