09/04/21 05:36:52 7xBQMDXP
長宗我部元親が、土佐において本山氏と争っていた頃の事である。
本山氏の長浜城は本山の本拠よりは八里も離れていたが、元親の居城からは
僅か三里ほどの近さであり、元親はどうにもこの城が邪魔であった。
ある時本山氏が、この長浜城の門を建て直す事になり、腕利きの大工を探していた。
このとき本山の所に元親の元から、肩口を斬られ負傷した大工が駆け込んできた
「お助けください!長宗我部元親の気が狂い、このような目にあいました!」
本山はこれを信じて保護。また、この大工が中々の腕利きだと言う事がわかり、
丁度良いと、長浜の城門工事を任せることにした。
もちろん罠である。
長浜城の工事を知った元親は、あらかじめこの大工と示し合わせ、人質まで取って
この狂言を行った。
間もなく長浜城に長宗我部軍が来襲。たちまちに乗っ取られる。
無論、城内の大工が内通していた為であった。
謀略もスケールが小さくどうにも泥臭いのが、初期の元親らしいというべきか。
そんな長宗我部元親、長浜城奪取のおはなし。