09/04/11 02:15:03 MU2S6PN3
武田信玄の家臣に岩間なる男がいたが、この男だいの臆病者だった。
出陣となると「俺は人を殺したくないー!!!」などとギャアギャア喚くのである。
こんなやつだから岩間の上司は呆れ果てて、信玄に訴えた。
上司「あいつはダメダメです。あんなやつが戦場にいたら、他の兵にも
影響がでます。追放、あるいは追放に見せかけて殺しましょう。」
信玄「あいつが臆病なのは優しい性格のせいであろう。あんなやつにも
取柄があるはずだ。」
上司「御舘が部下想いなのは存じていますが、あいつはダメです。
戦を恐れる武士など、武士である資格がないというものです。」
上司はどうしても岩間を追放したいらしい。やれやれ、と思った信玄は
上司に岩間を呼ばせると明日の出陣の際に留守の責任者となるように
命じた。戦わなくて済むので岩間は大喜びで平伏した。
翌日、武田軍が出陣した。すると留守番の者たちは信玄らが居ないので
次第にだらけ始めていった。この様子を見た岩間は「御舘が戻ったら全部
言いつけてやろう」と思い、彼らの手抜きを詳細にメモしたのである。
これに気づいた者たちは信玄にチクられるのを恐れ、慌てて行動を改めた。
その後、信玄が戻ってくると舘はいつも以上に綺麗でピカピカしている上に
人々もよく緊張していたので、信玄は岩間を呼んで「お前こそまさに留守大将よ」
と褒めた。そして岩間を追放しようとした上司らにこう言った。
信玄「どうだ、臆病者にも取柄はある。要は適材適所が大事なのだ。
どんな人間にも取柄があるのだから、あいつは無能だ、などと
簡単に言ってはいかんのだ。」
本来はいい話かもしれないが、戦えない上に人をチクるしか能がない岩間は
ろくでもないやつだと思ったのでこちらに投下した。