09/03/28 00:01:59 jlGP8A71
空気読まずに失礼を。
毛利元就がまだ元服したばかりのある日。元就は大内の命令で明の使者を接待することになった。
下関から陸路で京都へ上がる道筋、吉田を通る一行をもてなせとの、大内からの命令である。
毛利の当主は現在不在。
必然的に元就が供応役を仰せつかることになったのである。
そして元就が明の使者を接待している一行の中に朱良範と言う男が居た。
この男は元就の敬礼を見るや否や、いきなり席を立ち上がり別室へと消えてしまう。
そして戻ってきたかと思うと一通の文を元就に手渡したのだった。
朱良範は今すぐ手紙を読むよう、元就に催促する。
そして以下の内容が僧侶によって読み上げられた。
『元就の顔は中国の皇帝そっくりだね。
目と声は秦の始皇帝。顔は漢の高祖帝。背格好は唐の太宗皇帝に激似だよ!
つまり君は将来病気しないし長生きするし、十人くらいの子供に恵まれて
家も長く続んじゃないかな。
むしろ皇帝の先生になる勢いだし!』(注意※もちろん意訳です)
場が凍った。
(で、詰まるところ誰に似てるんだ?)とは聞かないでくれ。
元就も例外ではない。文の疎ましさに頭を抱えたくなった。
わざと相鑑定書を紛失せしめるほどに、それが疎ましかった。
なぜならこのときの毛利はまだ元就の兄興元が当主なのだ。
いくら興元が京で敵と鬱、この二つと戦っている最中であっても、差し置いて分家を褒められては困る。
元就はこんな危険極まりない行為に頭を抱え文を紛失させたのだと言う。
ちなみにソースは陰陽太平記。ただし孫引き御免。
以上毛利元就の都合の悪い話でありました。