司馬遼太郎風に会話をするスレat SENGOKU
司馬遼太郎風に会話をするスレ - 暇つぶし2ch128:123
09/01/01 04:50:03 w2UfT5rt
>>123の生活を支える家族と>>123の間に、小さな事件が起こった。
「もう、パソコンは没収する」
と父親は宣言した。母親は泣いていた。弟は、我関せずとPSPに興じていた。

>>127>>123のことを
―大卒の働き盛り
と表現したが、これは誤りであった。>>123は大学中退であり、実質高卒でしかなかった。
得意なことと言えばほぼパソコンに関することであり、そしてそれは特技、スキルと呼べるようなものではなかった。

「もう、パソコンは没収する、よいな」
父親は、もう一度言った。
絶体絶命であった。
>>123は考えた。こんな時、愛読する司馬小説の登場人物なら、いったいどう切り抜けるか―
それは、風雲児坂本竜馬も、天下人豊臣秀吉も、もちろん幸村や又兵衛でも、不可能ではないかと思われた。

「すぐには、無理だ」
>>123は、力なく言った。それだけで、精一杯であった。すぐではないなら、いつだ―父親は、今度ばかりは
譲らぬという決意をみなぎらせ、>>123に迫った。
>>123は、短い時間に考えた。売れるパーツは剥ぎ取って全て金に換え、空になったケースを引き渡す―
どうせパソコンのことなど、団塊世代にはわかるまい―その後、売却して得た資金で、ノートパソコンを買い、
隠しておけばいい。
「今すぐは、無理です。松が取れたら、ではどうですか」
父親は、わかったというように頷いた。母親は涙を拭いた。弟が無邪気に「兄ちゃん働けよ」と>>123を励ました。

>>123は部屋に戻り、独りほくそえんだ。出し抜いてやった、俺の計画、江戸の大御所すらも欺けよう、と
自らの土壇場での思いつきをほめた。
しかし、検索サイトが>>123の計略を木っ端みじたに吹き飛ばした。>>123は驚愕した。
>>123のペンティアム4マシンは、すでに平成21年において粗大ゴミとさして変わらぬ価値しかもたぬ代物に
成り果てていたのだった。
>>123の時間は、4年前で止まっていたのだった。>>123はうつむいた。
(4年という時間は、かくも長きものなのか・・・)
社会復帰への困難さが、よりいっそう強く感じられた。


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