10/07/08 19:14:41 T2g1zk2t
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できれば故障しない宇宙機を目指すのは理想だけど、
それよりももっと重要なのは起こりうる故障を想定してあらゆる可能性に対処することこそ技術でしょう。
7年間も連続に一度も故障無しに走り続けることができる設計が可能だと
妄信する技術者が居たとしたらそれこそ日本の危機ですね。
信頼性が高いって言われている日本の車だって、7年間も無故障で連続で走り続けることはありえないし、
普通だったら廃車まで車検を挟んで整備してもらって実働はせいぜい半年程度。
旅客機は20年以上も飛んでいるようだけど、その間に何回も新品のエンジンやら部品に取り替えてのこと。
人間の作る機械とはとても比較できないほご自己修復能力に優れた動物でさえ、
7年以上の寿命をもつものは限られているし、
人間でも、7年間病気も故障も怪我も無く、また偶発的な事故にも会わずに過ごせたと
言っている人がいたら見てみたいものです。
個人的にはやぶさで一番感心したのは、姿勢制御用リアクションホイール
を3軸積んでいたので、1軸が故障してもなんとかなるという想定にとどまらずに、
最悪2軸が壊れても、エンジンの燃料排出弁を利用して代用できるように考えてあった節があったところです。
逆にそれらの経過をすべて情報公開していることこそ誇らしいことで、
それを非難するのは、甲子園での優勝高校に対して、
3回戦では外野がエラーしたとか、準決勝ではピッチャーがバテて4回で降板したとかを非難しているようなものです。
俺は体力も持久力もあり運も良いからと言って裸でジャングル探検に出かけるのは自殺行為ですから
ありとあらゆるリスクを想定してバランスよくシステムとして成り立たせることこそ真の技術といえるのだと思います。