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東北大大学院医学系研究科の
貫和敏博教授(呼吸器病態学)の研究グループは、
特定の遺伝子が変異を起こした肺がんの治療で、
治療薬イレッサ(一般名ゲフィチニブ)が従来の抗がん剤より効果が高く、
生存期間も長くなるとする研究成果をまとめた。
成果は医学系米学術誌に掲載された。
イレッサは、日本人の肺がんの8割を占める「非小細胞がん」の患者のうち、
特に「上皮成長因子受容体(EGFR)」の遺伝子変異で
悪化したがんに有効とされる。
ただ遺伝子診断に基づき、投与する患者を限定した場合の有効性を裏付ける
十分な研究がなかった。
グループは2006年3月から大規模な臨床試験を進めてきた。
09年5月にかけ、宮城県立がんセンター、東北大病院、
仙台厚生病院、弘前大病院など全国約50の医療機関で、
該当する遺伝子変異のある20~75歳の患者計230人の協力を得て
臨床試験を実施した。
無作為に半数ずつのグループに分け、一方には初回からイレッサ、
一方には抗がん剤を投与。
症状が再び悪化するまでの期間は
イレッサ投与が約11カ月、抗がん剤が約5カ月で、
副作用の頻度はイレッサ投与のグループの方が低かった。
平均生存期間は、従来の抗がん剤投与のみでは1年程度だったが、
イレッサ投与の患者は2年半。
最初に抗がん剤を投与し、
次にイレッサに切り替えた場合でも2年近く生存したという。
貫和教授は「遺伝子変異のある患者にイレッサを用いる
個別化治療の有効性が示された。
新たな標準療法として確立したと言える」としている。
河北新報
URLリンク(www.kahoku.co.jp)
東北大学大学院医学系研究科
「遺伝子診断を基にした肺癌の個別化分子標的治療を確立」
URLリンク(www.tohoku.ac.jp)
The New England Journal of Medicine
“Gefitinib or Chemotherapy for Non-Small Cell Lung Cancer with Mutated EGFR”
URLリンク(content.nejm.org)