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木星の閃光は隕石、ハッブルで判明
Andrew Fazekas
for National Geographic News
June 18, 2010
アメリカ東部時間2010年6月3日に木星で観測された謎の閃光は、私たちが地上で目にする
流星のように隕石が木星の上層大気中で空中分解したためである可能性が高いことが、
ハッブル宇宙望遠鏡の画像から明らかになった。当初は、もっと大きい小惑星か彗星が
衝突したものと推測されていた。
木星の閃光は2秒間続いたが、その後にハッブルが撮影した画像からは、
衝突の残骸からなる色の暗い領域は見つからなかった。
しかし、オーストラリアのアンソニー・ウェスリー氏とフィリピンのクリストファー・ゴー氏という
2人のアマチュア天文家がそれぞれ撮影した動画の中では閃光が確認されていた。
7億7000万キロ以上離れた地球からアマチュア天文家の望遠鏡で地球と同じくらいの
大きさの火球が観測されたことから、大きな隕石か彗星が木星に衝突したと推測された。
この衝突の規模を調べるため、閃光が観測された3日後にハッブルの紫外線カメラと
可視波長カメラによる撮影が行われた。しかし、2009年7月に直径500メートルほどの
小惑星が木星に衝突したときに見られたような、衝突の証拠となる黒い染みは発見
されなかった。その結果を受け、地球で火球が見られるときと同様、比較的小さな隕石が
木星の上層雲の層で完全に燃え尽きたとの説が有力となった。
メリーランド州グリーンベルトにあるNASAゴダード宇宙飛行センターの惑星系研究所長で
ハッブル観測チームの一員のエイミー・サイモン・ミラー氏は次のように推測する。
「残骸からなる領域がないということは、今回衝突したのは昨年よりかなり小さく、
直径200~300メートルにすぎなかった可能性が高い。大きな物ならば気圧が高い層まで
突き抜けて爆発し、大気を焦がした痕跡を残すのに対し、小さな物は閃光の中で蒸発して
しまうだろう」。
サイモン・ミラー氏の研究チームは、今回の小規模な衝突が木星全体での物体の衝突の
頻度を知る手がかりになるかもしれないと期待する。ここ最近の2回の爆発の時期から
考えて、数週間に1度のペースで何らかの物体が木星に衝突している可能性もある。
そうなれば、あとは木星に望遠鏡を向けて次に起こる光のショーを待つだけだが、
それこそがアマチュア天文家の出番だと同氏は話す。「主要な天文台やハッブルは
観測の依頼が殺到しているため、私たちプロは時折送られてくる写真を確認するだけで
長期間監視を続けることができない。そこで、ぜひともアマチュアの方々に観測して
いただきたい。アマチュア天文家の協力は我々にとって大変貴重だ」。
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▽記事引用元
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画像:2010年6月3日に木星で観測された閃光は、小惑星や彗星ではなく隕石が原因だったことが、ハッブル宇宙望遠鏡からの画像で判明した。
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News Release Number: STScI-2010-20
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