10/05/29 21:15:42
日大、磁性を持つマグネシウム合金を開発、人工関節材など医療用途などにも有効
日大 日本大学 生産工学部の久保田正広教授らは粉体材料を使って、容易に磁性を持ったり失ったり
する性質(軟磁性)のマグネシウム合金を開発した。粉末の酸化鉄系複合材料のフェライトとマグネシウム
を機械で混合し、焼結プラズマ法で焼き固めた。粉体のマグネシウムは燃えやすく温度管理が難しい。
粉体フェライトを磁性を損なわず粉体マグネシウムと混ぜるのは、温度や圧力管理の面から実現していなかった。
医療で人体に埋め込む材料や電磁スイッチ、磁気シールドなどへの利用が期待できる。
磁石に付くアルミニウム合金の技術を応用した。今後は用途を開拓する応用研究と並行して、より強い磁性を
持たせる技術の確立を目指す。
マグネシウムはアルミニウムより軽く、人体内に留めておくと吸収されるといった特性がある。「身体に埋め込ん
でも磁気共鳴断層撮影装置(MRI)の画像に影響を与えないステント(血管などに入れる筒)やクリップ、人工関節
の材料などに有効だ」(久保田教授)と見ている。
マグネシウムの粉体に酸化鉄と亜鉛、ニッケル、銅を成分とするフェライトを混合する。ボールミルで30分以上混ぜ、
真空に近い状態にして600℃ で焼結する。混合時間を8時間程度の長時間にするとマグネシウムの特性が強くなる
という。混合比を変えた実験では、フェライトの重量比が10%ほどで磁性を持つことができ、50%でもマグネシウムの
特性を保つことがわかった。
マグネシウム粉体は融点の650℃で燃える。融点より低い温度で酸素が少ない環境にして焼結するため、
燃える危険はないという。同じように金属粉末を使って製品をつくる粉末冶金(やきん)法などと比べ工程数が少なく、
量産化が比較的容易になる。
また、電磁波シールドや磁気スイッチ向けにもマグネシウムの電磁波遮蔽性能の高さや軽さなどの特徴を生かし
新たな用途開拓が期待される。
▽ ソース ロボナブル
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