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520日間の模擬火星探査準備進む ロシア
2010年05月04日 15:53 発信地:モスクワ/ロシア
【5月4日 AFP】有人火星探査を想定して、ボランティア6人が520日間をカプセル内で過ごす、
ロシア科学アカデミー生物医学研究所(Institute for Biomedical Problems Russian
Academy of Science、IBMP)による実験の準備が進んでいる。
この実験は、モスクワ(Moscow)郊外で、ロシアから3人、中国から1人、ロシア以外の
欧州諸国から2人の計6人が参加し、宇宙船を模した180平方メートルのカプセル内で、
520日間、隔離されて過ごすというもの。地球から火星到着までが250日、火星での
探査期間が30日、地球への帰還に240日間かかると想定して、実験期間を520日に設定した。
実験は、5月末か6月始めにもスタートする予定だ。
同研究所では、以前にも同様の実験を実施しているが、この時の実験期間は105日だった。
■隔離空間で心身に受ける影響を調査
火星有人探査における最大の懸念は、完全に隔離された空間で長期間を過ごす
飛行士らへの精神的な影響だ。今回の実験は、同様の空間を人工的に作り出し、
実験に参加するボランティアの心身に関するデータ収集が目的だ。
実験を主導するIBMPのアレクサンドル・スボロフ(Alexander Suvorov)研究員は、
人間は隔離された状況に置かれると心理的な危機に陥ると話す。
「火星探査に参加する宇宙飛行士の仲が、常にうまくいくとは限らない。
仲良くやれる相手もあるだろうし、ウマが合わない相手もいるだろう。
重要なのは、こういった状況にあっても、ミッションを成し遂げることだ」
実験参加者らの1日の過ごし方は、睡眠8時間、労働8時間、余暇8時間と決められている。
■栄誉には欠けるが、厳しさは同じ
IBMPと共同で今回の実験を行う欧州宇宙機関(European Space Agency、ESA)は、
実験について「火星まで行かずに、実際の火星探査にできる限り近い状況を作り出すもの」
と説明。実際の火星探査で得られるような栄誉や宇宙船環境には欠けるかもしれないが、
厳しさは本物と変わらないと強調した。(c)AFP/Elise Menand
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