10/04/02 19:56:19
>>1 の続き
その後、銀河が誕生して種磁場が取り込まれると、内部で徐々に発達していく。ゆったりとした銀河の回転により、
荷電粒子やガスが磁場の磁力線に従うような動きを見せるからだ。
しかしほかの種磁場は銀河間の空間を漂い続ける。ネロノフ氏らが今回発見した現象は、そのような漂泊する種磁場だとみられている。
研究チームはブレーザー(激光銀河)を対象としたデータで、ガンマ線の超高エネルギー帯域での欠落に気がついた。
ブレーザーとは、光速並みの速度で粒子ジェットを噴出する超大質量ブラックホールを中心に配した活動銀河の一種である。
ブレーザーを起源とするガンマ線は、一定のエネルギーレベルを保って地球に到達するはずだ。
しかし今回観測されたガンマ線は勢いがいくぶん削がれているように思われた。途中で微弱な磁場が作用すると、このような現象が起こるという。
そこで研究チームは、ガンマ線と光子(光の粒子)の衝突を再現するコンピューターモデルを作成した。
その結果、両者の衝突から電磁的活動が生じることが判明したという。ネロノフ氏はこう話す。
「われわれが検出したのは、そのような微弱な初期磁場なのではないか。天の川銀河など、さまざまな銀河に現存する
磁場の初期状態とも考えられるため、磁場の起源に関する謎が解き明かされるかもしれない」。
では、銀河の存在しない初期宇宙で最初の磁場を形成した高エネルギーのプロセスとは結局何なのだろうか。
候補は山ほどあるが、いまのところ特定されていない。また、その後の銀河や銀河団の形成に、漂泊する種磁場は
なんらかの役割を果たしたのだろうか。この点も未解明だが、磁場の正確な強度が測定されれば答えが出るかもしれない。
ネロノフ氏は、「検出した磁場が非常に微弱だったこともあり、銀河の形成に大きく関与したとは考えにくい」という見解を示した。
ブレーザーを観測したフェルミ・ガンマ線天文衛星の最新データは、「Science」誌オンライン版に4月2日付で掲載されている。
以上、依頼を受けて立てました。