10/03/25 14:37:50
歩道橋やガードレールなど道路施設へのスプレーによる落書きの除去に、食品
にも使われている米粉と、工業用アルコールの一種の混合液が効果があることを、
岡山大工学部の武藤明徳准教授(化学工学)らのグループが突き止めた。
落書き除去剤は既製の製品もあるが、研究に協力した国土交通省中国地方整
備局も「コストや安全性、作業時間が早いという点でも有効なのでは」とし、製品化
に期待している。
同整備局は、道路施設への落書きがなくならないことに困り、2007年に同大学
と包括的連携・協力協定を結び、安価で手軽に使え、効果のある除去剤の開発を
持ちかけた。これに応え、武藤准教授らは安全性や短時間で除去できるという面
からも材料を検討。工業用溶剤としてよく使われ、においも強くない、アルコールの
イソプロパノールに注目した。
これに何らかの粒子を混ぜることで、施設の塗装面に吹き付けられたスプレーの
溶解が進むと考え、小麦粉やアルミニウムなどの化合物など約10種類を試した。
その結果、米粉とイソプロパノールを2対3の割合で混ぜた時に、最もよく消えるこ
とを突き止めた。
さらに、米粉をイソプロパノールに混ぜることで粘り気が出ることから、垂直な面で
も使いやすいという利点も判明した。
研究グループと同整備局は、岡山市北区の交差点で、歩道橋や信号機の金属製の
柱への落書き除去を実験。塗った後に、蒸発を防ぐためにラップを張って10分おき、
ぬらしたペーパータオルで数回ふき取るだけで、元の塗装を傷めずに消すことができ
た。除去のメカニズムについては「緻密(ちみつ)に塗られた元の塗装には、除去剤が
浸透せず、落書きだけを浮き上がらせているのでは」と推測している。
武藤准教授は、この除去剤と、除去方法の特許を出願しており、企業に製品化を
アピールする。同整備局の野津善英・品質調査課長は「道路の維持作業の合間に、
手早く除去できそう」と期待。武藤准教授は「落書きの放置は防犯上も良くない。この
除去剤で、きれいで安全なまちづくりに貢献したい」と話している。
ソース:YOMIURI ONLINE (読売新聞)
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)
★依頼57より