10/03/19 07:50:32
精子になりかけても逆戻り=精巣の幹細胞数を維持-マウスで発見・日米チーム
マウスの精巣では、病気などで精子のもとの幹細胞が異常に減ると、幹細胞から精子に
変わり始めた細胞の一部が逆戻りし、幹細胞の数を維持する仕組みがあることが分かった。
子孫を残すのに不可欠な精子を、長年、多くつくり続ける上で、この仕組みが重要な役割を
果たしていると考えられるという。
基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)や京都大、米ジャクソン研究所の研究チームが
19日、米科学誌サイエンス電子版に発表した。
幹細胞は、自ら増殖する一方、特定の機能を果たす細胞に変わる細胞。同様の逆戻り
システムが、サルやヒトの精巣にも存在する可能性があるが、実験手法が限られるため、
確認は容易ではない。一方、血液など、身体のほかの組織にある幹細胞にも、逆戻り
システムがあるかもしれないという。
マウス精巣の幹細胞「精原細胞」は、自ら増殖する場合以外は、分裂して連結した2個の
細胞となる。いったん連結状態になると、数珠つなぎに2倍ずつ増え、これらは皆、精子へ
変わる方向にあると、約40年前から信じられてきた。
しかし、基礎生物学研究所の吉田松生教授らが、遺伝子操作で精原細胞と連結細胞を
見分けられるようにすると、連結細胞の一部が精原細胞に逆戻りすることがあると判明。
さらに、薬剤で精巣にダメージを与えた場合は、減ってしまった精原細胞の数を回復させる
ため、逆戻りする割合が増えることが分かった。(2010/03/19-07:15)
▽記事引用元 時事ドットコム
URLリンク(www.jiji.com)